2024年11月27日(水)にDMM.comがメディアに向けて「DMM TV・DMMプレミアム 実績報告会」を開催。DMM.comが運営する「DMM TV」と「DMMプレミアム」の最新情報が共有された。
本報告会にはDMM.com COOの村中悠介氏が登壇。運営する上記サービスの実績とこれからの展望を発表した。
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「DMM TV」は2022年12月にサービスを開始し来月で2周年を迎える。アニメを主軸に、バラエティや2.5次元作品・舞台・ミュージカル、ドラマ、映画など幅広いジャンルのコンテンツを提供する、DMMの総合動画配信サービスだ。「DMM TV」は月額550円(税別)の「DMMプレミアム」に加入することでDMM TVの対象作品が見放題となる。
本報告会では初出しの情報として、無料トライアルのユーザーを除いた「DMMプレミアム」の有料会員数が今年10月で106万人を突破したことが発表された。サービス開始から約2年で430%の急成長となり、2026年には約210万人になる見込みとのこと。
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「DMMプレミアム」内にはDMM TVだけでなく電子書籍やオンラインクレーンゲームのサービスもあるが、村中氏はこれらの急成長の要因をDMM TVにフォーカスして振り返る。
一つ目の要因はアニメへ集中投資をしコアファンを獲得できたことだ。村中氏は「アニメの作品数と料金、あとは機能面が評価されて、コスパナンバーワンのサービスとして評価をいただいています」と話し、2024年10月時点で配信アニメは6,000作品以上、新作アニメの見放題作品数がNo.1となっていることを強調。そのコンテンツの網羅性とコストパフォーマンスの面が強みとなっている。
二つ目の要因は実写コンテンツを強化しユーザー層を拡大したことだ。「水曜日のダウンタウン」の藤井健太郎氏がプロデュースするオリジナルバラエティ「大脱出」は2023年2月の配信以降、大ヒット。本作品の視聴を目的に14万人以上の新規ユーザーを獲得したという。またバカリズム脚本で松田龍平主演のオリジナルドラマ「ケンシロウによろしく」は2024年9月に国際エミー賞短編シリーズ部門にノミネートを果たした。「配信ならではの、チャレンジングでハイクオリティな作品を両立したい」と村中氏は話し、テレビではできない攻めたコンテンツにもどんどん挑戦していきたいと語る。
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村中氏は、アニメと国内ドラマ・邦画の視聴UUが増加傾向にあることに言及。この2ジャンルを横断的、かつ安価で提供することがDMMができる価値提供であると話し、注力ジャンルであることを強調した。
また、アニメ作品を拡充していく中で新たな気づきもあった。村中氏は「データだけでみると、(DMM TVの場合は)ユーザーは先行配信を求めていないとわかりました」と話し始め、「先行でやる意味としては、よほど感度が高くて、今日が先行配信の日だと分かるぐらいの情報量を持っている人なんですよね。それで言うと、先行配信をやめても、実はDMM TVにおいては影響がなかったんです」と話し、先行配信では通常よりもコストもかさむことから、そこはあまり重視しておらず、他社とタイミングは並列でも数多く新作を配信をすることに注力しているようだ。
三つ目の要因は強力なパートナーとの連携、協業だ。同社は2023年3月にDAZN、Pixivとのセットプランの提供を開始した。
特にDAZNとのプランはDAZN単体で契約するよりも金額が安くなる驚異の価格設定となっている。このプランは現在も継続して提供しており、「(DAZNからの加入は)DMM TVの入り方とは全然違います。日本代表戦やJリーグがあるタイミングなどイベントごとに連動して入会が増え、抜ける人も多いので、季節やイベントに左右されるのが特徴かと思います」と、通常の加入ルートとは違う動きがあり、それもまた協業ならではの刺激になっているようだ。
さらに、DMM TVの提供を開始してから、DMM全体のユーザー層にも変化があった。これまでのDMM.comはPCブラウザ主体のサービスであったこともあり、30代・40代がメインのターゲット層となっていた。しかし、DMM TVを開始以降、スマホアプリからの利用、コンテンツ内容などの合致から20代・10代と若年層の利用が大幅に広がったという。村中氏は「今までDMMにいなかった層が取れたらと思って始めたんですけれど、現実そうできているなという風に感じています」とコメントした。
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今後の展望として、今年9月に発表した「縦型ショートドラマへの戦略投資」についても言及があった。DMMは同領域に年間20億円の投資を予定しており、2025年春からコンテンツ配信を予定している。縦型ショートドラマの配信については独自のプラットフォームも必要となるため、そのあたりの開発もこの投資に含まれているという。上記のように新規で獲得できた若年層をさらに新獲得していく狙いだ。
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具体的には、オリジナルのショートドラマを毎月4作品以上、国内外のヒット作品を年間50作品以上配信する目標で、オリジナル以外の作品については他社からの買い付けも検討している。現在は企画開発やポートフォリオの設計に取り組んでおり、来年春に向けて準備を進めていると話した。