サイバー攻撃で大打撃を受けたKADOKAWA、売上高84億円の減少も「ELDEN RING」が強さを見せる【決算から映像業界を読み解く】#69

2024年6月にニコニコ動画などへのサイバー攻撃を受けたKADOKAWAが通期決算の下方修正を発表した。

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2024年6月にニコニコ動画などへのサイバー攻撃を受けたKADOKAWAが通期決算の下方修正を発表した。

出版とWebサービス事業あわせて通期で84億円、営業利益は64億円減少。ニコニコサービスのクリエイター補償、調査復旧作業に係る特別損失36億円を計上する見通しだ。ただし、期初に出した通期売上予想は変更せず、営業利益9億円の減少に留めた。ゲームやアニメ・実写などが好調に推移しているという。

サイバー攻撃はBlackSuit(ブラックスーツ)によるランサムウェア(身代金要求型のウイルス)で、金銭の支払いを要求された。サイバー攻撃が企業の深刻な経営リスクであることが改めて露呈した出来事だ。

市場の見通しよりもサイバー攻撃の影響は小さかった?

サイバー攻撃は、ニコニコ動画を主軸とするWebサービスで54億円、国内の紙書籍の販売で30億円売上高の下押し要因となった。ニコニコ動画は8月5日に復旧したが、およそ2か月間のサービス停止に追い込まれた。ライトノベルなどを販売するECサイトや公式ホームぺージが接続できなくなったことで、書籍の販売や販促活動も滞った。

■2025年3月期通期売上高・営業利益見通しの増減要因

決算説明資料より

利益面においてはWebサービスの影響が大きく、48億円もの営業利益を押し下げている。

KADOKAWAは2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の営業利益を165億円と予想していた。もともと営業減益の予想を出していたが、9億円減と修正したことによって6%台だった営業利益率は5%台まで低下する見込みだ。

決算短信より筆者作成

2021年3月期の巣ごもり特需以降、KADOKAWAの営業利益率は6%を上回っていた。今期予想通りの着地をすれば、コロナ禍以降ではじめてそれを下回ることになる。さらに36億円の特別損失を計上することにより、純利益は期首予想の134億円から97億円へと27.6%の下方修正を迫られた。


《不破聡》

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