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ソニーグループ(以下、ソニー)は、インドにおけるテレビ事業やストリーミング事業を展開する地元大手Zee Entertainment(以下、Zee)との100億ドル(約1兆4,800億円)の統合を正式に断念すると発表した。
The Hollywood Reporterによると、ソニーは「2年以上にわたる交渉の末、合併の完了条件が期日までに満たされなかったことを非常に残念に思います」とコメントしているとのことだ。また、「引き続き、この活気に満ちた急成長市場においてプレゼンスを拡大し、インドの視聴者にワールドクラスのエンターテインメントを提供することを約束します」と付け加えた。不履行となった具体的な理由は明言されていないが、ここ数カ月で合併後の事業体を誰が率いるかを巡り、両社の意見に相違があることが公の場に波及していたという。Zeeは、同社のプニット・ゴエンカ最高経営責任者(CEO)を推薦していたが、ブエンカ氏とその父親でZeeの創業者であるスバシュ・チャンドラ氏が会社での地位を悪用し、会社から私的な事業のために資金を吸い上げていたとの報道を踏まえ、Zeeの意向にソニーが難色を示していたと考えられる。
昨年8月に規制当局の最終認可が下りていたこの合併が合意した場合、70以上のリニアTVチャンネル、2つのストリーミングサービス、2つのレガシー映画スタジオを擁した豊富なローカルコンテンツのライブラリを持つ大企業が誕生することが予定されていた。
しかし、合併が発表されて以来、Zeeの財務状況は著しく悪化。今回のニュースを受けて、各地域のアナリストたちは“ソニーの新たな買収ターゲットは何なのか”、“もしゴエンカ氏が追放された場合、Zeeとの合併を再検討する可能性はあるのか”といった新たな見解を求めて奔走している。
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