WGA、ハリウッドスタジオと暫定合意に到達。脚本家ストライキは終了か

ストライキを起こしていた全米脚本家組合(WGA)と、映画製作者協会(AMPTP)が契約合意に近づいていると報じられていたが、ついに23日(土)に暫定合意したことが発表された。

働き方 業界団体・行政
WGA、ハリウッドスタジオと暫定合意に到達。脚本家ストライキは終了か
Image by Mohamed Hassan from Pixabay WGA、ハリウッドスタジオと暫定合意に到達。脚本家ストライキは終了か

Image byMohamed HassanfromPixabay

ストライキを起こしている全米脚本家組合(WGA)と映画製作者協会(AMPTP)が、23日に契約の暫定合意に達したとIndie Wireが報じている。

組合史上最長となる146日間のストライキを経て、WGAは「すべての合意事項」について基本合意に達したと発表。この合意事項には、報酬の計算方法の改定やAIからの保護などが含まれており、詳しい内容については近日中に契約条項を共有する予定であると伝えられている。

また、組合は契約が批准されるまで「誰も職場に戻ってはならない」と明言しているが、ピケッティングは一時停止されている。

この合意に至るまでには長い時間を要した。WGAとAMPTPは、ストライキ開始から3ヵ月後の8月4日に初めて会談に合意し、8月11日に正式交渉を再開。それでも合意に至らず、AMPTPは提案の詳細を公に発表する動きを見せ、WGAはその提案を“十分ではない”と発言した。その結果1ヵ月近くも膠着状態が続き、双方は相手から返答を受けるのが当然だと考えるようになった。


しかし、最終的には9月20日に双方がテーブルに戻り、スタジオ側のCEOであるディズニーのボブ・アイガー氏、NBCユニバーサルのドナ・ラングレー氏、Netflixのテッド・サランドス氏、そしてワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフ氏が予想に反して積極的なアプローチをとったという。4名は3日連続で深夜の交渉の場に残ったが、弁護士が集まって文言を最終決定した土曜日には出席しなかったとのことだ。

一方で、映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)のストライキは続いている。当初から、SAG-AFTRAの指導部は交渉のテーブルに戻る意志を表明していたが、WGAとの連帯を示し、WGAがカバーするプロジェクトは協定に署名する資格がないように暫定協定の方針を修正した。そのため、今回の暫定合意がSAG-AFTRAのストライキも大きく動かすことになりそうだ。


Another Source:Variety
《伊藤万弥乃》

関連タグ

伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。