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5月から全米脚本家組合（WGA）が、そして7月に入り映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟（SAG-AFTRA）もストライキを決行し、今もなお行われている。それぞれ約4ヵ月／約2ヵ月が経とうとしている中で、最新のニュースをまとめた。
映画・テレビ業界、8月に17,000人の雇用を削減 ストライキの影響がハリウッドの労働力を直撃
米国労働統計局（BLS）が9月1日（金）に発表した数字によると、映画、テレビ、音楽業界は先月17,000人の雇用を失ったとのことだ。
BLSの報告書は、ストライキによる雇用への大きな影響を数字で示した最初の、信頼できる情報源のひとつ。The Hollywood Reporterが報じたところによると、ストライキに参加した労働者だけでなく、制作会社、タレント・エージェンシー、そのほか伝統的にハリウッドのスタジオ・システムに収入を依存してきた企業など、ストライキの影響はハリウッドの他の企業のレイオフにも繋がっているという。8月31日（木）、カリフォルニア州財務長官のフィオナ・マー氏はこの状況を受け、スタジオに対し「この2つのストライキの影響は、ハリウッドを麻痺させ、州全体に波及し、無数の企業、何千もの年金基金受給者、そして何百万人ものカリフォルニア州民に影響を与えている」と交渉のテーブルに戻るよう書簡を送ったとのことだ。
AMC、「ウォーキング・デッド」スピンオフなどの制作再開を認めるSAG-AFTRA契約を締結
TBI Visionによると、AMC NetworksはSAG-AFTRAと合意し、3つの番組の制作を再開したことを認めた。「Interview With The Vampire（原題）」はプラハで撮影を再開し、「ウォーキング・デッド」のスピンオフ作品「The Ones Who Live（原題）」と「Daryl Dixon（原題）」もSAG-AFTRAから許可を得たとのことだ。そもそもAMCは映画テレビプロデューサー同盟（AMPTP）が取り決めた条件に同意しているがに加盟していない、いわゆる“公認企業”のため、SAG-AFTRAによって番組の制作再開が許可されたとのこと。また、SAG-AFTRAは、以前にApple TV+の「テヘラン」を含む番組を承認しているが、これはイスラエルで撮影され、現地の労働法を満たすためだという。
WGAストライキが4ヵ月目に突入、双方の決意が固まり交渉復帰が複雑化
Varietyによると、4か月目に突入するWGAストライキの解決への道は遠く、両者は交渉の場に戻る方法を見つけるという微妙な難題に直面しているとのことだ。スタジオ側では、脚本家たちが大きく譲歩をしなかったことに対する不満が続いているという。AMPTPは8月11日（金）、視聴率データへのアクセス、1番組につき最低2人の脚本家を雇うショーランナーのオプションなど、これまで話し合いが難航していたいくつかの分野で提案を行った。しかし8月15日（火）の回答で、WGAはいくつかの数字について若干の引き下げを行ったが、ほぼ当初の立場を堅持した。これについてスタジオ側は、これ以上のWGA側の動きは“自分たちに不利な交渉”に過ぎないと考えている。また、この動き以降、WGAの組合員は1週間以上最新情報を受け取っておらず、多くの組合員は交渉の状況をほとんど把握できていない。
一方、スタジオやストリーミング放送事業者はAMPTPから離脱し、脚本家と個別で合意を結ぶような気配もないようだ。テック系新興企業（Netflix、Amazon、Apple）とハリウッドの守旧派（ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、コムキャスト、パラマウント・グローバル、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント）との間に亀裂が生じているとの憶測が飛び交っているが、経営側の情報筋によれば、戦略に関する意見の相違はあっても、大きな目標に関する意見の相違はないという。
