イマジカの鮮明な業績回復に、Pixelogic買収の大博打は吉と出たか【決算から映像業界を読み解く】#15

IMAGICA GROUPの業績回復が鮮明だ。

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イマジカの鮮明な業績回復に、Pixelogic買収の大博打は吉と出たか【決算から映像業界を読み解く】#15
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IMAGICA GROUPの業績回復が鮮明だ。

2023年3月期の売上高は前期比9.8%増の880億円、営業利益は同5.3%増の36億円を予想している。2021年3月期に10億8,400万円の営業赤字に陥ったが、翌期には黒字化を達成。今期は増収増益を見込んでいる。

業績への貢献度が高い事業が、グローバルE2Eサービス。これは動画配信事業者向けのローカライズ(吹替、字幕制作)から、ディストリビューション(流通)までを一貫して提供するサービスだ。

特に海外のローカライズ事業の成長が目覚ましい。

ローカライズの世界最大手を買収するも利益の下押し要因に

イマジカの事業は3つに分かれている。映画、アニメ、CMなどを制作する映像コンテンツ事業、映像・音声編集、字幕、吹替などを行う映像制作サービス事業、映像伝送、映像編集クラウドシステム構築などの映像システム事業だ。

主力事業は映像制作サービスで、売上高全体のおよそ半分を占めている。映像コンテンツ事業が3割、映像システム事業は2割ほどだ。

決算短信より

イマジカは戦略的に映像制作サービスのE2Eサービスの拡大を行ってきた。これは映像配信市場がクローバルに拡大していたことと、テレビや映画、CMなどの映像制作市場が縮小していたことが背景にある。イマジカはもともと、映画フィルムの現像やプリント、合成加工など編集技術に長けており、主力事業としてきた。時代の変遷とともに、動画配信サービスを下支えするサービスへと軸足を移したのだ。

イマジカの国内での字幕、吹替サービスはすでに確立しており、需要を獲得することができていた。事業基盤が弱かったのが、動画配信サービスの市場拡大が旺盛な海外だ。

その課題解決に向けて勝負に出たのがローカライズの世界最大手SDIメディアの買収だった。


《不破聡》

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