KADOKAWAが、池袋・サンシャインシティ内に新たなアニメ制作拠点「Studio One Base」が開設される。約1,400坪におよぶ巨大拠点には、KADOKAWAグループのアニメ制作スタジオが集結。2026年11月1日には、ENGI、Studio KADAN、チップチューン、ベルノックスフィルムズ、レイジングブルの5社を統合した新会社「株式会社Studio One Base」も設立される。
KADOKAWAはなぜ今、アニメ制作スタジオを集約するのか。そこには、拡大するアニメ需要の裏側で深刻化する人材不足や、制作現場の労働環境に対する危機感がある。
メディア向け内覧会では、KADOKAWAの狙いに加え、施設内部の設計思想、豊島区やサンシャインシティがこの拠点に寄せる期待も語られた。

「作る人がいなければ、何もできない」KADOKAWAが新拠点に込めた危機感
内覧会の冒頭に挨拶したのは、株式会社Studio One Base代表取締役社長に就任予定の菊池剛氏だ。菊池氏は、この構想が約3年前から進められてきたものだと説明した。
KADOKAWAはこれまで、アニメ事業や実写事業を含む映像領域を成長事業として強化してきた。しかし、作品数や事業規模が拡大する一方で、制作現場を支えるクリエイターの環境が同じように整っているのかという問いに直面したという。
「僕らのアニメ事業の戦略がいかに素晴らしくても、結局作ってくれる人がいなければ、何もできない」
菊池氏はそう語る。

近年、アニメは国内外で高い需要を獲得している。だがその一方で、現場で働く若い人材は十分に増えていない。菊池氏は、学校説明会や面接の場で、若い世代から「KADOKAWA本社には行きたいが、スタジオは辛そう」「アニメは見ているほうが楽しい」といった声を聞いてきたという。
アニメ制作の現場には、いまだに「狭い」「暗い」「大変そう」といったイメージがつきまとう。もちろん実際の現場は一様ではないが、そうした印象が若い人材の参入を妨げていることは否めない。
だからこそ、菊池氏は「まずは場を、環境を綺麗にする」ことから始めたと話す。クリエイターが仕事に集中でき、これからアニメを志す人たちが「こういう場所なら働いてみたい」と思える環境を作ることがStudio One Baseの出発点だ。










