東映アニメーションが発表した2026年3月期通期連結決算は、売上高が936億6,900万円(前期比7.1%減)、営業利益が310億1,800万円(同4.4%減)となった。一方で、経常利益は334億6,200万円(同0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は250億7,000万円(同6.1%増)となり、純利益ベースでは過去最高を更新した。
前年に大きく寄与した映画『THE FIRST SLAM DUNK』や『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の国内配信権販売、さらに映画『THE FIRST SLAM DUNK』の商品販売などの反動減が売上を押し下げた。一方で、収益性の高い海外商品化権販売が好調に推移し、減収局面でも高い利益水準を維持した格好だ。
会社側も、通期として売上高・営業利益は過去2番目、経常利益・当期純利益は過去最高水準だったとしている。
ヒットの反動を、版権ビジネスの利益率でカバー
今回の決算で注目すべきは、減収ながら利益面では大きく崩れていない点だろう。
映像製作・販売事業は、売上高が311億5,100万円(前期比16.5%減)、セグメント利益が87億5,100万円(同15.7%減)となった。前年同期には『THE FIRST SLAM DUNK』や『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』などの国内配信権販売が好調だったが、当期はその反動が大きく出た。
また、海外映像でも『ドラゴンボール』シリーズの海外配信権・ビデオ化権販売の反動減があり、売上高は233億2,400万円(同10.4%減)となった。映像ビジネスは大型作品や大型契約の計上タイミングに左右されやすく、今期はその谷間にあたったと言える。
しかし、全社の売上総利益は前年の484億2,200万円から492億300万円へ増加した。売上総利益率も48.0%から52.5%へ上昇している。これは、前年に比べて製作原価の負担が減ったことに加え、原価率の低い海外商品化権販売が好調だったことが大きい。
つまり、映像の反動減を、版権ビジネスの利益率が吸収した形だ。単発のメガヒットに依存するのではなく、IPを多面的に展開することで高収益を維持する同社の構造が確立されていることが伺える。

