サイバーエージェント、新アニメスタジオ「Studio Kurm」設立。代表に岡田麻衣子氏、アニメーター亀田祥倫氏も参画

サイバーエージェントは新アニメスタジオ「Studio Kurm」を設立し、クリエイターの価値最大化と新制作手法の確立を目指す。

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サイバーエージェント、新アニメスタジオ「Studio Kurm」設立。代表に岡田麻衣子氏、アニメーター亀田祥倫氏も参画
サイバーエージェント、新アニメスタジオ「Studio Kurm」設立。代表に岡田麻衣子氏、アニメーター亀田祥倫氏も参画

株式会社サイバーエージェントは2025年10月1日、新たなアニメ制作スタジオとして株式会社Studio Kurm(スタジオ クーム)を設立したと発表した。代表取締役社長には、数々のヒット作を手掛けてきたアニメプロデューサーの岡田麻衣子氏が就任。同社のアニメ&IP事業本部との連携のもと、グローバル市場を見据えたアニメーションの企画・制作を推進する。

サイバーエージェントは2024年2月にアニメ&IP事業本部を設立して以来、IP開発からプロデュース、広告宣伝、マーチャンダイジングまでを包括的に手掛ける体制を強化してきた。今回の新スタジオ設立は、同社のアニメ事業戦略における制作機能の強化を目的としていると見られる。


市場拡大と制作環境の課題、「クリエイター価値の最大化」を掲げる

新スタジオ設立の背景には、近年のアニメ市場の急拡大に伴う制作環境の変化がある。作品の多様化と企画数の増加は、制作現場の複雑化を招いており、持続可能な創作環境の構築が業界全体の課題となっている。

Studio Kurmは、こうした課題意識のもと、「才能ある若手クリエイターがこれまで以上に活躍できる場の提供」「ひとりひとりに適切な還元」「新しいアニメーション表現の追求」を設立の目的として掲げる。

代表に就任した岡田氏は、「アニメーション業界は大きな変革の時を迎えている。市場が拡大する一方で、制作環境は年々厳しさを増し、『このままではアニメが作れなくなってしまう』という危機感も抱くようになった」とコメント。クリエイターが誇りを持って創作に打ち込める環境を構築し、日本のアニメーション文化を未来へ繋ぐ決意を示した。


技術力で新たな制作手法の確立へ

Studio Kurmは、クリエイターの価値を最大化するという使命の実現に向け、具体的なチームビルディングにも着手している。2026年1月には、『モブサイコ100』などで知られるアニメーターの亀田祥倫氏をクリエイター代表としてチームに迎えることを明らかにした。

今後は、岡田氏、亀田氏を筆頭とするトップクリエイターチームと、サイバーエージェントが保有する技術力をかけあわせることで、新たなアニメ制作手法の確立を目指す。

岡田氏は、「Studio Kurmは、単にアニメを作る会社ではなく、最高のチームで、持続可能な創作の仕組みを築き、日本のアニメーション文化を次のステージへと引き上げる挑戦を始める」と述べ、世界に通じる作品創造への意欲を見せた。サイバーエージェントは、Studio Kurmの設立を通じてアニメ事業のさらなる成長を図るとともに、業界全体の発展に寄与していく構えだ。

新会社概要

名称  株式会社 Studio Kurm (スタジオ クーム)
URL  https://studiokurm.com/
所在地  東京都渋谷区(2025年10月時点) 
     ※2026年春、東京都武蔵野市にオフィス開設予定
設立日 2025年10月1日
資本金 1億円
役員構成 代表取締役社長 岡田麻衣子
     取締役 山内隆裕
事業内容 アニメーションの企画・制作

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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