世界最大級のアニメーション映画祭、アヌシー国際アニメーション映画祭2025が、盛況のうちに閉幕した。今年は世界118カ国から18,200人(うち学生4,500人)のバッジホルダーが参加し、併設されている国際アニメーション映画マーケット(Mifa)には6,550人の業界関係者が集った。特にMifaは設立40周年という記念すべき年を迎え、アニメーション産業のハブとしての重要性を改めて示した形である。
会期中、アヌシーの街は世界中から集まったアーティスト、プロフェッショナル、そして未来の才能たちで賑わいを見せた。総入場者数は136,000人に達し、アフガニスタン、グアテマラ、モンテネグロ、ルワンダの4カ国が参加国のリストに加わるなど、その国際的な影響力の拡大がうかがえる。映画祭CEOのミカエル・マラン氏は閉会式のスピーチで、参加者の情熱が映画祭を形作っていると感謝を述べるとともに、業界のさらなる発展への意欲を示した。

女性監督支援強化と新興国の参加が示す業界の未来 来年は新拠点オープンへ
今年の映画祭およびMifaでは、アニメーション業界が直面する新たな課題と未来への展望が重要なテーマとなった。特に、業界における女性の活躍推進が大きく取り上げられた。2015年の「女性アニメーター特集」から10年という節目を迎え、「女性のための長編映画監督レジデンス」の創設が発表されるなど、具体的な支援策が打ち出されたことは特筆すべき点だ。
また、Mifa40周年を機に、新たなテクノロジーへのアクセス促進や、アニメーション制作が発展途上にある国々への門戸開放など、マーケットが果たすべき役割が再確認された。環境問題への取り組みも強化されており、カーボンフットプリント計算機の導入や廃棄物管理の徹底など、持続可能なイベント運営への姿勢を明確にした。
来年2026年には、新たな拠点となる「Cité internationale du cinéma d'animation」のオープンが予定されており、アヌシーが世界のアニメーション産業の中心地として、さらなる発展を遂げることが予想される。
【イベントのお知らせ】
アヌシー国際映画祭の模様についても語る予定のトークイベント「Dialogue for BRANC」の第6回を6月27日(金)に開催予定。申し込みは以下のページから。