アヌシー国際アニメーション映画祭が約41億円を投じて国際研究施設を建設、規模を拡大

330席の試写室やアーティストの宿泊施設、研修コースや文化活動のための特別エリア、一時的な展示スペース、アヌシー美術館のアニメーション映画コレクションを紹介する常設展示場、書店やギフトショップ、グルメ・フードコートなどが併設予定

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アヌシー国際アニメーション映画祭が約41億円を投じて国際研究施設を建設、規模を拡大
Image by Sara Chini from Pixabay アヌシー国際アニメーション映画祭が約41億円を投じて国際研究施設を建設、規模を拡大

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フランス南東部に位置するアヌシー市で開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭(以下アヌシー映画祭)が、2,600万ユーロ(約41億2,000万円)を投じて広大な国際研究施設を建設し、その規模を拡大する計画だと報じられた。

アヌシー映画祭の公式サイトによると、1960年より開催されている映画祭は同分野で世界最大規模を誇り、今年6月に開催された映画祭では、ディズニー生誕100周年を記念する短編映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』がワールドプレミア上映された。

Varietyによると、「Cité Internationale du Cinema d’Animation」と命名された国際研究施設は、2025年後半にオープン予定。330席の試写室やアーティストの宿泊施設、研修コースや文化活動のための特別エリア、一時的な展示スペース、アヌシー美術館のアニメーション映画コレクションを紹介する常設展示場、書店やギフトショップ、グルメ・フードコートなどが併設されるという。

会場は、19世紀のランドマークとして知られるハラスに建設の計画で、2.6エーカー(約1万平方メートル)にわたる敷地は、緑豊かな庭園とフランスの歴史的記念物に指定された建造物で構成されている。1880年代、すでにハラスはフランスの文化生活でハイライトとなり、発明家でパイオニアだったエミール・レイノーが初の短編アニメーションを上映した場所としても知られている。

一流の建築家によって設計されるハラスの改築は10年前に構想が始まったプロジェクトで、投じられる費用は4,200万ユーロ(約66億6,000万円)。この数字は前述の2,600万ユーロとは別の予算となる模様で、アヌシー市とオート=サヴォワ県、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏が後援するとのこと。

アヌシー映画祭と、その併設見本市であるMIFAでディレクターを務めるミカエル・マリン氏は会場の構想について、「パリのシネマテーク・フランセーズや、リヨンのリュミエール研究所のような文化的なハブ(中心地)を作り、世界中からアニメーション愛好家やアーティストを集めたいですね。我々は、あらゆる層の観客を魅了し、幼稚園から高校までの青少年を対象とした上映会や上級特別クラス、いくつかのプログラムを開催したいと考えています」と展望を語った。

また同氏は、63年の歴史を誇るアヌシー映画祭は、今や世界有数のアニメーション映画祭にランクされるだけでなく、「世界でも5本の指に入る映画祭」になったとも述べた。

今年開催されたアヌシー映画祭は、約100ヵ国から16,000人もの専門家や経営者、アーティストが集まり、過去最高となる動員数を記録した。

《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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