米国の高齢者団体AARPの新たな調査によると、50歳以上の成人の多くは、自分と年齢や人生経験が似ているキャラクターが登場する映画やテレビ番組を支持する傾向が強いという。
この調査は、AARPが2024年11月14日から18日にかけて50歳以上の米国成人1,010人を対象に実施。すべてのデータは、年齢・性別・教育・人種/民族・地域・AARP会員によって重み付けされている。2024年には、50歳以上の成人6,100万人以上が映画を鑑賞し、8,400万人以上がストリーミングサービスに加入、年間100億ドル以上を費やしていることから考えると、彼らの映画・テレビ業界に向けた声はとても影響を与えるものであることがわかる。50歳以上の視聴者のうち79%が、先述の通り、実際の体験を反映するストーリーとキャラクターを好むと答えている。一方で、映画やテレビでの年齢表現が「しばしば正確である」と主張するのはわずか7%で、「時々正確である」が59%、「めったに正確ではない」が29%、「まったく正確ではない」が4%という結果になった。
また、50歳以上の回答者の半数以上は、自分たちの人口統計の正確な描写は過去5年間変わっていないと回答。さらに「身体的に活発な役柄として描かれている」と答えたのはわずか17%、「何か新しいことを学んでいる役柄として描かれている」と答えたのは11%、「多忙な仕事に就いている役柄として描かれている」と答えたのは22%だった。
回答者の5人に4人は、50歳以上の男性俳優(84%)、女性俳優(84%)、監督・脚本家・プロデューサー(83%)は独自の視点や才能をもたらしてくれると考えている。しかしながら、調査対象者は、高齢者が多様でダイナミックな役柄を演じることは稀だと考えている。その要因としては、視聴者が若い俳優を好むことが挙げられている。また5人中2人以上が、業界の偏見と高齢俳優への機会の少なさが大きな原因であると考えているとのことだ。
同記事では、「映画業界が、高齢の俳優・監督・脚本家・プロデューサーの貢献と価値を認識し、称賛し、活用し、高齢者の声と物語を表現できるよう努力することは、利益を増やすことにもつながるだろう」と述べられている。