公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)は2026年3月31日、2025年度社会保障研究報告書「働き方の特徴に合わせた『芸術家を支える仕組み』」を発行した。芸団協では2022年度より「芸術家の社会保障等に関する研究」を継続しており、本報告書はその最新の成果となる。
本は、2025年3月に実施された「第11回 芸能実演家・スタッフの活動と生活実態調査」および、映画・テレビ、音楽、美術の著作者(芸術家)を対象とした「芸術活動及び社会保障に関するアンケート」の結果を基にしている。これら独自のデータから、分野ごとの芸術活動の取り組み方や働き方の特徴に着目し、過去の調査研究も踏まえながら、日本の文化芸術界が抱える現状と課題を整理している。映画やテレビなど、映像産業に関わる分野にも触れられている。
本稿では、特に映像産業におけるフリーランスの労働環境の現状と、持続可能な業界に向けたセーフティネット構築の現在を紐解いていく。
「仕事が減った」と回答した人が「増えた」を上回る
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大は、文化イベントの自粛要請などを通じて、文化芸術の担い手である芸術家や実演家の収入を激減させ、生活基盤の脆弱性を浮き彫りにした。2023年5月に新型コロナウイルスが「5類感染症」に移行し、文化イベント制限等の政府指針が廃止されてから2年以上が経過した現在でも、依然として仕事量がコロナ禍前と同水準には戻っていない実態が明らかになっている。

