タカラトミーの業績が好調だ。
2025年3月期第2四半期累計(2024年4月1日~2024年9月30日)の売上高は1,207億円、営業利益は123億円で過去最高を更新。期初予想の売上高1,100億円、営業利益90億円を大幅に上回って折り返している。好調ぶりを受けて通期業績予想を引き上げた。
好調の背景にあるのがアニメとマンガでメディアミックス展開をしている『BEYBLADE X』だ。日本以外の国や地域でも親しまれており、特に米国での人気獲得は注目に値する。世界的なおもちゃメーカーへと進化する未来も視野に入った。
通期営業利益率2桁台を突破できるか?
2025年3月期は通期の売上高を前期比15.2%増の2,400億円、営業利益を同22.3%増の230億円と予想している。上半期時点で売上高の進捗率は50.3%で、営業利益が53.5%。タカラトミーはクリスマスやお年玉シーズンを迎える下期に業績が偏重する傾向がある。
2024年3月期は上半期の段階で通期業績予想に対する売上の進捗率が49.2%、営業利益が59.3%だった。通期の実績は会社予想比で売上高が6.8%、営業利益が39.3%それぞれ上振れて着地をしている。今期も通期予想を超過して着地する可能性もありそうだ。
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※決算短信より筆者作成
タカラトミーの好調ぶりを示しているのが、営業利益率の高さである。2025年3月期上半期は10.2%。前年同期間は8.3%で、2024年3月期は9.0%だった。
今期は予想通りの着地で9.6%となる見込みだが、それを上回る可能性もある。過去最高の売上高・営業利益かつ営業利益率2桁での着地となると、絶好調な様子を印象づけるに十分な内容だ。2008年3月期から振り返っても通期で営業利益率が10%を超えた年はない。なお、タカラトミーは中期経営計画において2030年3月期に営業利益率10%達成を目標の一つとしている。
上の業績推移を見ると、2016年3月期から2018年3月期にかけてひと山を形成し、2024年3月期から2025年3月期からもうひと山ができそうな様子がわかる。好業績に寄与しているのが、ベーゴマをベースとした玩具ベイブレードだ。2015年7月に3代目となる『ベイブレードバースト』の初期シリーズを市場投入した。
3代目ではぶつかった相手を破壊するという画期的な「バーストギミック」を採用した。このシリーズは小学館の「月刊コロコロコミック」で連載され、さらに2016年4月からアニメ化もされた。「バーストギミック」が加わったことでアクション性が増し、マンガとアニメのエンターテインメント色が高まっている。
世界的なコンテンツ展開の布石を打つ先見性の高さが光る
4代目として誕生したのが『BEYBLADE X』だ。2023年7月に初期シリーズの販売を開始した。国内累計出荷数が500万個(2024年6月時点)を突破している。