ハリウッド最新バーチャルプロダクションの事例から、ロケ撮影の価値について議論【第14回MPAセミナー③】

第37回東京国際映画祭の一環として、第14回MPAセミナーが行われ、VFXスーパーアドバイザーのジョージ・マーフィー氏による講演が実施された。パネルディスカッションではバーチャル撮影を行うことと実際にロケ地へ行くことについて、議論が行われた。

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第14回MPAセミナー
編集部撮影 第14回MPAセミナー
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第37回東京国際映画祭の一環として、第14回MPAセミナーが行われ、VFXスーパーアドバイザーのジョージ・マーフィー氏による「映画制作2.0:リアルタイムVFXの進化、従来の映画制作者に向けて」と題した講演が開催。その後のパネルディスカッションでは実際にロケ地へ行くべきか、バーチャルで解決するべきかなど議論が行われた。

本講演ではマーフィー氏によって、リアルタイムVFX(バーチャルプロダクション)を使用したワークフローと従来のワークフローの違いや、リアルタイムVFXが映画制作にもたらす変化が語られた。リアルタイムVFXのワークフローには可視性があり、プリプロダクションの段階でも先を見据えて計画したり、関係者にも事前に全体像を明示したりできるとのことだ。

ジョージ・マーフィー氏

後に行われたパネルディスカッションや質疑応答で特に話題となったのは、デジタルで多くの部分をカバーできる今、ロケ地で撮影をしたり、現物を使用したりすることに価値があるのかということだ。リアルタイムVFXを使用したデジタルプロダクションでは、LEDボリューム(LEDのディスプレイ)を背景にし、リアルなライティングで撮影することもできるため、天候の変化や移動の手間を気にすることなく、ストーリーに適したシーンを作り出し、俳優の自然な演技を引き出すことができる。

パネルディスカッションの様子

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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