コロナ禍による配信サービスの普及で、映画館には劇場ならではの臨場感や迫力が求められるようになった。
その影響もあり、近年の映画館では音響を意識した「体感型」の劇場づくりやリニューアルを行う場所も多い。そんな中、映画館で上映される作品も多様化しており、そのひとつとして近年盛んに上映が行われているのがライブフィルム作品だ。ライブフィルムとはアーティストによるコンサートの様子を収め、劇場で上映するタイプの作品。まさに「体感型」が求められる昨今の劇場にぴったりと言える。
その中でも爆発的なヒットを売り上げているのが『Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA』だ。
今大人気のアーティスト「Mrs. GREEN APPLE」のライブツアーを映像化した作品で、初週は興行収入ランキングにて三谷幸喜監督の最新作『スオミの話をしよう』を凌ぐ初登場首位スタートを記録した。特筆すべきはその上映館数で、『スオミの話をしよう』の371館に対し、本作の館数はわずか106館。鑑賞料金は特別興行で3,500円となっているが、週末は都心以外でも満席となる劇場が見られるほどの大ヒットで、もはや席が足りなくなる事態にまで発展している。
特大ヒットも頷ける高い人気
既に11億円を突破し、音楽劇としては異例のヒットを記録している本作。これまで10億円を超えたライブフィルム作品は、『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”(45.5億円)』と『BTS: Yet To Come(25.6億円)』ほどしかなく、この盛り上がりを受けて上映館の拡大も既に決定している。