『ラストマイル』ほか、快進撃続く邦画実写 本命アニメ不在の冬興行もまだまだ止まらない!?

夏休みを盛り上げた、『キングダム 大将軍の帰還』、『インサイド・ヘッド2』に続きお盆シーズン明けには『ラストマイル』が大ヒット。今年は年末に向けた大型のアニメ作品が不在で、邦画実写の存在感が試される冬興行になりそうだ。

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『ラストマイル』
©2024 映画『ラストマイル』製作委員会 『ラストマイル』

お盆シーズンが終わり、夏興行も徐々に落ち着きを見せているが、印象に残った作品と言えば何が思い浮かぶだろうか。

70億円超えのシリーズ最高記録を打ち立てた『キングダム 大将軍の帰還』、40億円を突破し前作超えを果たした『インサイド・ヘッド2』など多くの作品が暑い夏シーズンを盛り上げた。

ただ、筆者として特に印象に残っているのはお盆シーズン明けに全国の劇場を席巻した『ラストマイル』だ。本作はTBSドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界観を共有する“シェアード・ユニバース”という新しい手法で展開されており、主演級の豪華キャストが集結するイベントはSNS上でも話題となった。

ドラマの続編ではないことから、売上こそ強い集客ができるかどうか様々な憶測があったが、箱を開けてみれば初週で9.7億円という驚異のビッグヒットを記録。これは邦画実写として歴代トップクラス級のオープニング記録で、今年8月の公開作品としてもお盆シーズン明けながらNo.1の記録となった。今年の夏興行作品としては『キングダム 大将軍の帰還』とワンツートップを飾っている。つまり、今年の夏興行は邦画実写が上位を独占したことになるのだ。

そして、今年は冬興行も邦画実写が大きな存在感を見せる可能性が高い。というのも、今年は年末に向けた大型アニメ作品が不在となる年だからだ。コロナ禍からこれまでを振り返ってみると、2020年は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』、2021年は『劇場版 呪術廻戦 0』、2022年は『すずめの戸締まり』『THE FIRST SLAM DUNK』、2023年は『劇場版 Spy x Family Code: White』と大型のアニメ作品が年末のランキング上位を独占する展開が続いていた。そういった意味で今年の冬興行は例年と一風変わった展開になりそうだ。

大人気ドラマ続編に話題の実写化まで!大期待の冬興行

東宝は上記のアニメ作品を始め、多くの大ヒット作品を生み出し、大手配給会社の中では一線を画す存在感を放っている。今年は『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』の制作チームが手がける新作『ふれる。』がアニメ作品として控えているが、この一作を除けば邦画実写作品がかなりの過密スケジュールで公開を控えている。今年も残すところ4分の1となっているが9月から12月までで、11本もの新作が公開予定。これは今年の1月から8月の8ヵ月間で公開された本数と同じだ。


《タロイモ》

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中学生時代『スター・ウォーズ』に惹かれ、映画ファンに。Twitterでは興行収入に関するツイートを毎日更新中。

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