共同ピーアールが、上半期を堅調な数字で折り返した。
同社はインフルエンサーマーケティングを行うVAZや、ビッグデータの解析などを行うキーウォーカーを連結子会社化するなど、積極的なM&Aで会社の成長を促進。完全子会社で映画のプロモーションを行うマンハッタンピープルも、ULMを子会社化するなど、デジタル化に向けた企業買収に邁進中だ。その成果を出すことができるのか、正念場を迎えている。
今期は会社予想に近い数字で着地するか?
2024年12月期第2四半期(2024年1月1日~2024年6月30日)の売上高は、前年同期間比9.3%増の35億6,700万円、営業利益は同26.5%増の5億6,500万円だった。通期の売上高は前期比8.8%増の75億円、営業利益は同24.9%増の10億5,000万円と予想している。
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※決算短信より筆者作成
2023年12月期はIT業界などを中心に、中核であるPR事業が好調だった。事業単体では2割の増収。セグメント利益も1割近く増加していた。そのため、会社全体の売上高は前期の1.3倍に急増。今期はそこから更に1割近い増収を目指していることになる。
上半期の時点で、進捗率は売上高が47.6%、営業利益が53.8%だった。なお、2023年12月期上半期の進捗率は、売上高が51.8%、営業利益が58.1%。今期はやや後れをとっている。ただし、2023年12月期は、期首予想に対して売上高・営業利益ともに9%ほど高い数字で着地していた。上半期の実績値への進捗率は、売上高が47.3%、営業利益は53.2%。2024年12月期上半期の進捗率は、こちらの数字に近い。つまり、前期の数字を基に計算すると、今期は会社予想に近い数字で着地する見込みが高いことになる。
連結子会社化前のVAZの業績
共同ピーアールは2021年12月にVAZを連結子会社化した。この会社はかつて人気YouTuberのヒカルやラファエルなどのマネジメントを行っていたことで有名。しかし、2017年9月にヒカルが退所。2020年にVAZへの不満を漏らすと、炎上騒動となって会社は崩壊寸前にまで追い込まれた。そのため、3期連続の減収で10億円台だった売上高は8億円まで縮小。赤字幅は圧縮していたものの、2021年6月期は1億円近い損失を出していた。
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※「株式会社VAZの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ」より
しかし、2024年12月期上半期の売上高は前年同期間比26.7%増の4億6,500万円、営業利益は5.9倍の5,000万円となった。営業利益率は10.8%。子会社となった後の業績は好調だ。
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※決算補足資料より筆者作成