映像クリエイターの祭典「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」が開催。今年度は「OUT OF FRAME」をテーマに映像制作者を広く捉え、新たなヒントを提供する場として開催された。多くのトークセッションが催され、創作に関する様々なテーマのシンポジウムが催された。その中から、今回はTHE SEVENに所属するVFXプロデューサー赤羽智史氏が登壇した「Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』に学ぶ、世界標準のVFX制作」のレポートをお届けする。
企画段階からVFXプロデューサーが参加する意義
赤羽氏が所属するTHE SEVENは、TBSの100%出資で2022年に設立され、海外プラットフォームと組んでグローバル展開する映像作品を企画・プロデュースする会社だ。Netflixと複数年に渡り作品をリリースするパートナーシップ契約を締結したり、『フェイス/オフ』のプロデューサー、デヴィッド・パーマット率いるパーマット・プレゼンテーション社と共同製作の合意契約を取り付けたりなど海外展開に積極的だ。

同社の特徴のひとつが、赤羽氏というVFXの専門家が常駐で所属していることだ。なぜ社内にVFXプロデューサーが必要なのかというと、現在の映像作品はクオリティ向上のためにVFXが不可欠となっており、企画段階からVFXの専門家が意見できることが重要なのだという。実際、同社が手掛けたNetflixシリーズ「幽☆遊☆白書」では制作費の多くがVFX費に充てられたという。
従来の日本のVFX会社は受注があってから動き出すが、THE SEVENでは赤羽氏の存在のため、企画段階から動き出せることがメリットになっている。だが、同社内でCGアーティストは抱えておらず、実作業は他社に依頼する形をとっている。