ピクサー映画『インサイド・ヘッド2』の世界興収が好調、スタジオ幹部はアニメ作品の実写化に興味なし

「ピクサーの作品は、アニメの世界のルールがあってこそ成り立つ」とCCOは語る。

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Pete Docter, CCO, Pixar and Jonas Rivera attend the World Premiere of Disney and Pixar's
Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images for Disney/Pixar Pete Docter, CCO, Pixar and Jonas Rivera attend the World Premiere of Disney and Pixar's "Inside Out 2"

アニメーション最新作『インサイド・ヘッド2』が世界中で大ヒットしているピクサーの直近のニュースをまとめた。

日本公開を控える『インサイド・ヘッド2』、世界で大ヒット

Box Office Mojoによると、『インサイド・ヘッド2』の北米オープニング週末興行収入は1億5,500万ドル(約242億8,300万円)をマークし、世界興収は2億9,500万ドル(約462億1,650万円)を記録する大ヒットとなっている。

Deadlineによると、同作の世界オープニング週末興収は1億3,500万ドル(約約212億5,000万円)を見込んでいたというから、その2倍以上の数字を叩き出したことになる。

ここ近年、ピクサーの親会社であるディズニーは、『美女と野獣』や『アラジン』、『ライオン・キング』をはじめとするディズニー・クラシックアニメ作品の実写版リメイク映画を次々に製作しているが、その例にピクサーが続く可能性はあるのだろうか?

ピクサー幹部はアニメーション作品の実写映画化に興味なし

TIMEのインタビューで、その質問を投げかけられたピクサーのCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)ピート・ドクター氏が、「こう言うとしっぺ返しがありそうですが、実写化は厄介ですね。私は、オリジナルでユニークな映画を作るのが好きなので、個人的にはリメイク版にあまり興味がありません」と回答した。

同氏のコメントは、ネズミのレミーを主人公に描くピクサーアニメーション映画『レミーのおいしいレストラン』(2007年)に対して、俳優ジョシュ・オコナーを見習いシェフのアルフレド・リングイニ役に据え、実写化しようとオンラインでキャンペーンを展開しているファンへの答えとなる。

さらにドクター氏は、そのキャスティングは実現しないだろうとコメントし、「実写版でネズミを可愛くするのは難しいかもしれない」とも発言。アニメを実写化しないとの意向は、『レミーのおいしいレストラン』だけに限らないとし、「我々が制作する多くの作品は、(アニメの)世界のルールがあってこそ成り立つのです」と述べた上で、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009年)を例に挙げている。同作は、無数の風船を付けて、空へ舞い上がった家に暮らしながら旅をする老人を描くアニメ映画だが、ドクター氏は同作を実写化したら、「どうやって風船で家を持ち上げるのか?」という現実的な疑問を持つ人が出て来るが、アニメなら納得してもらえると説明した。

ここ近年のピクサーアニメは、新型コロナウイルスのパンデミックとDisney+進出の影響により、興行成績が低迷。『バズ・ライトイヤー』や『マイ・エレメント』などの作品が苦戦を強いられたが、久々の大ヒットとなる『インサイド・ヘッド2』の成功で、スタジオが活気を取り戻すのではないかと期待されている。

『インサイド・ヘッド2』は、8月1日(木)に日本公開予定。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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