【カンヌ国際映画祭2024】コンペ部門ラインナップが発表!ストライキの影響を受けながらも、英語作品が多数

第77回カンヌ国際映画祭のラインナップが発表された。コンペティション部門19作品や話題作、アウト・オブ・コンペティションの作品を紹介。

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【カンヌ国際映画祭2024】コンペ部門ラインナップが発表!ストライキの影響を受けながらも、英語作品が多数
Photo by Mike Coppola/Getty Images 【カンヌ国際映画祭2024】コンペ部門ラインナップが発表!ストライキの影響を受けながらも、英語作品が多数

5月14日から25日まで開催される第77回カンヌ国際映画祭のラインナップが発表された。

コンペティション部門

4月11日(木)に発表されたコンペティション部門の作品は19作品。話題作には、エマ・ストーンとウィレム・デフォーがヨルゴス・ランティモス監督と再びタッグする『Kinds of Kindness(原題)』、ポール・シュレイダー監督×リチャード・ギア主演の『Oh, Canada(原題)』、ジャック・オーディアール監督×ゾーイ・サルダナとセレーナ・ゴメス主演のミュージカルメロドラマ『Emilia Perez(原題)』、パオロ・ソレンティーノ監督×ゲイリー・オールドマン主演の『Parthenope(原題)』、デヴィッド・クローネンバーグ監督×ヴァンサン・カッセルとダイアン・クルーガー主演の『The Shrouds(原題)』、セバスチャン・スタン主演のドナルド・トランプの伝記映画『The Apprentice(原題)』、フランシス・フォード・コッポラ監督の自主製作長編映画『Megalopolis(原題)』などがある。

イギリスからは『アメリカン・ハニー』のアンドレア・アーノルド監督が『Bird(原題)』でコンペティション部門に復帰。コラリー・ファルジャ監督は、デミ・ムーアとマーガレット・クアリー主演の『The Substance(原題)』で長編デビューを飾る。インド人監督パヤル・カパディアは、本映画祭のドキュメンタリー賞受賞から3年経ち、長編劇映画『All We Imagine as Light(原題)』を発表する。さらに南フランス出身のアガット・リダンジェール監督は、長編デビュー作となる『Wild Diamond(英題)』を出品。

Varietyはこのラインナップについて「ハリウッドストライキによる製作の遅れや厳しい経済状況などが重なり、ハリウッド作品の存在感はやや薄いが、今年の映画祭ではレッドカーペットの華やかさやスターには事欠かないだろう。半数近くが英語で撮影された作品であり、これは近い歴史の中で最高記録だ」と伝えている。

さらに話題作が並ぶアウト・オブ・コンペティションでは、ジョージ・ミラー監督の『マッドマックス:フュリオサ』、ケビン・コスナー監督の『Horizon: An American Saga(原題)』、チャン・ピーター・ホーソン監督『She's Got No Name(英題)』、平岳大出演の『Rumours(原題)』が上映される。

ある視点部門

また、ある視点部門では、日本から奥山大史監督の『ぼくのお日さま』が選出。その他、中国のクワン・フー監督の『Black Dog(英題)』、コンスタンチン・ボジャノフ監督の犯罪ドラマ『The Shameless(原題)』、タウフィック・アルザイディ監督のサウジアラビアドラマ『Norah(原題)』、フランス人女優アリアン・ラベドの監督デビュー作『September Says(原題)』などが選ばれた。

なお今年のコンペティション部門審査員長はグレタ・ガーウィグ、ある視点部門の審査委員長はグザヴィエ・ドランが務めることが決定しており、レア・セドゥとヴァンサン・ランドン主演の『Second Act(原題)』で幕を開ける。

批評家週間

さらに、映画祭と並行して5月15日から23日まで開催される批評家週間での上映作品11本も決定。若手監督に焦点を当てたこのプログラムには、過去最高の1,050本の長編映画の応募があり、その3分の1が女性監督によるものだったという。唯一のアメリカ映画となったのは、コンスタンス・ツァン監督の『Blue Sun Palace(原題)』。クイーンズに住む2人の中国系移民が、悲劇的な死をきっかけに絆を深め、互いの存在に意味を見出すほろ苦い作品だ。

特別上映はジョナサン・ミレー監督のサイコスリラー『Ghost Trail(英題)』で幕を開け、エマ・ベネスタン監督の『Animale(英題)』で幕を閉じ、そのほかマルセイユに密かに移住したモロッコ人の10年間を描いたサイード・ハミッチ・ベンラルビ監督の『Across the Sea(英題)』、アレクシス・ラングロワ監督によるミュージカルコメディ『Queen of Dramas(英題)』が上映される。

🎥コンペティション部門 作品名/監督名一覧

  • THE APPRENTICE(原題)アリ・アッバシ

  • MOTEL DESTINO(原題) カリム・アイノズ

  • BIRD(原題)アンドレア・アーノルド

  • EMILIA PEREZ(原題)ジャック・オーディアール

  • ANORA(原題)ショーン・ベイカー

  • MEGALOPOLIS(原題)フランシス・フォード・コッポラ

  • THE SHROUDS(原題)デビッド・クローネンバーグ

  • THE SUBSTANCE(原題)コラリー・ファルジャ

  • GRAND TOUR(原題)ミゲル・ゴメス

  • MARCELLO MIO(原題)クリストフ・オノレ

  • CAUGHT BY THE TIDES(英題)ジャ・ジャンクー

  • ALL WE IMAGINE AS LIGHT(原題)パヤル・カパディア

  • KINDS OF KINDNESS(原題)ヨルゴス・ランティモス

  • L'AMOUR OUF(原題)ジル・ルルーシュ

  • WILD DIAMOND(英題)アガット・リダンジェール

  • OH CANADA(原題)ポール・シュレイダー

  • LIMONOV - THE BALLAD(原題)キリル・セレブレニコフ

  • PARTHENOPE(原題)パオロ・ソレンティーノ

  • THE GIRL WITH THE NEEDLE(英題)/マグヌス・フォン・ホーン

コンペティション部門以外の作品一覧はこちらから確認できる。


Other Sources:ForbesVarietyVariety
《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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