越境EC事業を手掛けるBEENOS(ビーノス)は、自社のデータから「越境EC×アニメ ヒットランキング2023」を発表した。近年、日本アニメのグローバル人気の高まりを受けて、同社が手掛ける越境EC事業においてもアニメ関連の商材が売上の上位を占めるようになっていることを受けての発表だ。
最初に直井CEOから同社の歴史とアニメと越境ECの概況が説明された。
同社は15年以上、越境EC事業を続けてきたが、コロナ禍を経てコンテンツ業界関連の商材が最も伸びているという。コロナ禍が開けてインバウンド需要が復活しても、その伸びは衰えず、2023年の第四4半期に大きな成長を見せているという。また、アニメ関連グッズの購入において最も成長したエリアは中南米となり、購入金額120%・購入UU数130%・購入件数125%に伸長している。

同社は会員数478万人を抱えており、まもなく500万人を超える見込みだそうだが、全てのユーザーが海外在住だ。かつては中国のユーザーが最も多かったが、現在では米国のユーザーが1番多いという。BEENOSの支援先は5,000件を突破しており、中古市場のみならず新品を扱う事業者の数も上昇傾向にあるとのこと。
BEENOSが提供する「Buyee Coneect(バイイーコネクト)」というサービスは、日本国内にしか対応していないECサイトの海外対応を企業の費用負担なしで導入できるサービスだ(従量課金制)。タグをサイトに設置するだけで複数言語に対応し、問い合わせや発送なども代行してくれる。
ここ10年の日本アニメは海外での需要が急速に拡大しており、その勢いは越境ECにも現れているようで、コンテンツ業界から相談が増えている状態だという。同社の越境EC全体での取引の25%がアニメ関連の商材だそうだ。

続いて、越境ECのヒットランキングが発表された。2023年に放送されたテレビアニメのヒットランキング1位は『ポケットモンスター』で、2位は『呪術廻戦』、3位は『あんさんぶるスターズ!!』という結果となった。『ポケモン』は全ての地域でトップとなっており、世界的な人気の高さがうかがえる。


2023年に第1期が放送開始となったタイトルでは『【推しの子】』が1位となった。2位には『Paradox Live THE ANIMATION』がランクインしており、同作は北米では1位だ。
続けて、海外のユーザーに人気の商品についての解説があった。人気があるのはキャラクターフィギュアで、全てのエリアでよく売れているという。経済力が高いエリアではトレーディングカードが人気だそうだ。フィギュア購入者の7割が男性ユーザーで、単価5,000円以上の商品がよく売れるという。

海外でも配信直後にグッズの購入は伸びる
次に、動画配信サイトでの人気と越境ECの相関関係についての分析が語られた。Netflixの視聴時間トップ50作品のうち、越境ECでグッズが動いた作品のランキングが発表された。必ずしも視聴時間が長い作品のグッズが売れるというわけではなく、グッズが動きやすい作品とそうでない作品の差が顕著にあるという。

ただ、グッズが動く時期と配信時期には明確な相関関係が見られ、やはり海外での配信が始まる直後にはグッズの購入は伸びる傾向にある。また、国内でのイベント開催時期にもグッズが動く傾向はあるようだ。

また、クランチロールとの相関関係では、同アニメアワード受賞作はグッズもよく動いた傾向があるという。