2024年の映画業界はどうなる?2023年を振り返りながら徹底考察!

日本国内の2023⇨2024年の興行収入を考察。2023年はランキング上位をアニメ作品が占めたが、2024年は予測できない要素も多々。今年はどのような年になるだろうか?

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2024年に入り、今年初めての首位を獲得したのは『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』だった。3週連続の首位を守り、累計興収は44.1億円となっている。今週末からは第2弾入場者プレゼントも配布される予定で、今年の冬シーズンを代表するヒット作品になりそうだ。

2023年はコロナ禍から大幅に回復した2022年からさらに数字を上げ、年間興収は2,300億円前後になる見込みと報じるメディアも多く、豊作な年となった。2024年はどうなっていくのだろうか。

今回は2023年の振り返りも踏まえつつ、2024年がどのような年になるのか占っていきたい。

アニメ中心の興行展開と洋画不振

まず、昨年の年間興収ランキングを見ると以下のようになっている。

※数字は記事執筆時点のもの

やはり上位に君臨しているのはアニメ作品で、ここに関してはここ数年変わらない傾向となっている。時系列順のハイライトとしては、年始から『THE FIRST SLAM DUNK』と『すずめの戸締まり』がリピーターを中心にロングランヒットを続けた。続くゴールデンウィークは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が満席続出となる、近年でも類を見ない激しい順位争いを繰り広げた。ここが昨年最大のピークで、(興行収入データの)集計の体制が整えられた2000年以降で最も映画館が賑わったゴールデンウィークとなった。


そして、7月にはスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』が公開に。宣伝ゼロの手法や作品内容が話題を呼び、ジブリ最大のスタートを記録した。


ここまでは年間興収も歴代最高を目指せるペースで、業界も勢いづいていた。しかし、その後の勢いはゴールデンウィークに比べると尻すぼみとなってしまい、やや苦戦を強いられる結果に。

その原因として東宝の執行役員である吉田充孝氏も触れているのが洋画作品の不調である。

邦画実写は、『キングダム 運命の炎(56.0億円)』『ゴジラ-1.0(51.8億円)』『ミステリと言う勿れ(47.4億円)』『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~(45.3億円)』とテレビ局主導のものから配給会社主導のものまで、満遍なくスマッシュヒット作品が生まれた。

一方、40億円を超えた洋画実写作品は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(53.8億円)』『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(43.1億円)』のみ。なんとその数は2022年から半減している。さらに言ってしまえば、前者はトム・クルーズ主演の『トップガン マーヴェリック(137.4億円)』との相乗効果に期待ができたし、後者は前作が159億円のヒットを記録していた事実がある。これらを加味すれば2023年の洋画作品のトップを牽引したこの2作品ですらも業界としては物足りない結果だったと推測できる。

また、北米市場と日本市場の乖離も昨年は顕著に出ており、北米の夏興行を支えた「バーベンハイマー」(※北米で同日公開となった『バービー』と『オッペンハイマー』の造語)も日本では存在感が薄く、『バービー』は10億円超えが叶わず、『オッペンハイマー』はまだ公開日すら決まっていないのが現状だ。

加えて大きな打撃となったのはハリウッドでのダブルストライキ。ほとんどの作品の撮影がストップし、公開する作品もほとんどプロモーションができない厳しい状況となった。この影響は2024年の公開スケジュールにも出ており、日本での洋画離れにますます拍車がかかってしまう恐れがある。


日本映画にとっての大きなターニングポイント


《タロイモ》

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タロイモ

中学生時代『スター・ウォーズ』に惹かれ、映画ファンに。Twitterでは興行収入に関するツイートを毎日更新中。

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