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ハリウッドが116日間に及ぶ俳優組合のストライキの解決を待つなか、映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)はスタジオ側の最終提案に対する回答を11月6日の朝に発表した。
Varietyによると、SAG-AFTRAは組合員へのメッセージの中で「ストライキを“責任を持って”終結させるべく取り組んでいるが、まだ意見の相違がある」と述べたとのことだ。映画テレビプロデューサー同盟(AMPTP)は、11月4日の会議で、現在のオファーがベストであり、これ以上の交渉は行わないことを示した。この提案には、ストリーミングサービスでの成功報酬、最低料金の引き上げ、AIに対する保護が含まれている。SAG-AFTRAは今後も追加条件を求めることができるが、AMPTPは「最後の、最善かつ最終的な」という言葉を使うことで、SAG-AFTRAの主張を聞き尽くし、これ以上の譲歩はできないことを伝えようとしている。
交渉状況に詳しい複数の情報筋がThe Hollywood Reporterに語ったところによると、SAG-AFTRAは特にAI条項に対して反発しているという。AMPTPは、シリーズレギュラー(テレビ1話あたり32,000ドル)や長編映画(60,000ドル)の最低額を超える収入を得る組合員のAIスキャンを確保しようとしており、それに対しSAG-AFTRAは、出演者の同意を得る必要があるとしてAIスキャンの再利用に対する補償金の付記を求めている。現在AMPTPの提案にある文言は、スタジオとストリーマーが、故人の遺産やSAG-AFTRAの同意なしにスキャン画像を使用する権利を確保することを意味する。また、SCREEN DAILYによると、現在進行中のストライキは全米脚本家組合(WGA)のストライキと相まって、5月以降カリフォルニアの経済に65億ドル規模の損害を与えたと言われている。SAG-AFTRA組合員が関与するスタジオおよびストリーマーによる制作は7月以来停止しており、ストライキ終結が目前に迫れば1月には制作が再開されると見られている。一方、SAG-AFTRAの暫定協定を結んでいるインディペンデント映画は、撮影中もしくは撮影準備中である。
先週、パラマウント・グローバルのトップであるボブ・バキッシュ氏は、第3四半期決算説明会でハリウッドの二重ストライキにより「ストライキ関連の遊休コスト」が6,000万ドル近く発生し、第4四半期にはさらに発生する見込みであると述べた。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとディズニーが今週決算を発表する。