【ATP調査】テレビ製作会社の3割超が赤字、収益悪化が顕在化──価格転嫁進まず現場は「限界的状況」

テレビ製作会社の3割超が赤字転落──。ATP最新調査で、営業利益が前年比77%に急落した衝撃の実態が判明。物価高でも価格転嫁はわずか4%に留まり、倒産リスクや人材流出が加速している。

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【ATP調査】テレビ製作会社の3割超が赤字、収益悪化が顕在化──価格転嫁進まず現場は「限界的状況」
【ATP調査】テレビ製作会社の3割超が赤字、収益悪化が顕在化──価格転嫁進まず現場は「限界的状況」

一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟は2026年1月15日、加盟社を対象とした「2025年度経営情報アンケート」の結果を発表した。本調査は2025年9月から10月にかけて実施され、101社(回答率84.2%)から回答を得たものだ。

調査結果からは、営業利益の大幅な減少や連続赤字企業の増加など、テレビ番組製作会社が置かれている極めて深刻な経営実態が浮き彫りとなった。物価高や人件費高騰が続くなか、発注元である放送局への価格転嫁が進まない構造的な課題が、業界の存続を脅かしつつある。

※調査内容は実際に番組制作を請け負っている会社が対象だが、報告書にならい、衣のついた製作会社と表記する。


営業利益は前年比77%、1割強が「連続赤字」の危機的状況

本調査で最も衝撃を与えたのは、製作会社の収益力の急激な低下である。売上高100億円未満の企業において、平均売上高は13.5億円(前年比103.95%)と微増したものの、営業利益は2,808万円となり、前年比77.08%まで落ち込んだ。

中でも赤字企業の割合が多いことが懸念点だ。回答企業の3割以上が営業赤字に転落しており、経常利益ベースで「連続赤字」を計上している企業は13.4%に達した。内部留保の減少や銀行融資の停止に直結する連続赤字は、倒産予備軍の増加を示唆している。

ATP経営情報調査研究会の伊藤慎一座長は、この結果について「危うさを強く意識した」と述べ、昨今のコンテンツ製作会社の倒産増加に対し強い危機感を表明している。


《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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