『君たちはどう生きるか』韓国で驚異的なヒット 日本アニメブームと市場の変化

『君たちはどう生きるか』が韓国で大ヒット。若年層を中心に、韓国映画市場では“日本アニメブーム”が起きている。

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『君たちはどう生きるか』韓国で驚異的なヒット 日本アニメブームと市場の変化
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宮﨑駿監督の10年ぶりの監督作として日本でも大きく話題になったスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』。

現在の国内累計興収は85億円ほどで直近の宮﨑駿作品には若干劣る数字ではあるものの、鈴木敏夫プロデューサー曰く「ちゃんと採算がとれた」とのことで、しっかりと黒字化に成功した。

そんな本作だが、海外でも続々と優秀な成功を収めている

まずトロント国際映画祭のオープニング作品として選出され、現地の映画ファンや批評家から絶賛評を獲得。なんと観客賞では400作品以上の中から3位に選ばれ、日本映画として2003年の北野武監督作品『座頭市』以来2度目の受賞となった。


この受賞はアカデミー賞ノミネートに大きく近づいたと噂されており、米映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」でも支持率は驚異の99%を記録している。(※10月30日時点)

興行面でも勢いは快調だ。今月6日に海外初封切りとなった台湾では2週連続の首位を記録し、初週の成績はジブリ作品歴代No.1の出足に。

そして、今回注目したいのは2つ目の封切り国となった韓国での数字。今月25日より公開となり、初日動員数が25万5,000人を突破。この数字は韓国国内の作品も含め、今年4番目となる数字だ。(※補足「犯罪都市3」「オッペンハイマー」「密輸」に次ぐ初日成績)さらに、日本映画として歴代記録を樹立した『すずめの戸締まり』の初日成績(14万3,507人)すらも上回る驚異的なスタートとなっている。

チケット代の相次ぐ値上がりなどが原因で、客足が遠のきコロナ禍後も中々苦しい状況から抜け出せていない韓国映画市場。

人気アクションシリーズの第3弾『犯罪都市 NO WAY OUT』が動員1,000万人超えのヒットを記録したことで、なんとか市場全体における韓国映画のシェア率を4割ほどに留めているのが現状だ。コロナ禍前は2011年以降の10年間、韓国映画のシェア率が5割を超えていたことを踏まえると、少々不安の残る成績となっている。


そんな中、韓国に訪れた空前のアニメブーム。これからの韓国映画市場は一体どうなっていくのだろうか。

韓国映画市場のいま

まず近年の日本アニメ映画ブームの火付け役となったのは、日本でも大ヒットを記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。日本でも大ヒットしたことが報じられ、原作の人気も非常に高かったことから爆発的なヒットを記録した。その後も『THE FIRST SLAM DUNK』が韓国における日本映画歴代No.1の売上を記録。その後『すずめの戸締まり』がそのNo.1記録をすぐさま塗り替え、歴史的なヒットを自立した。そして、今回の『君たちはどう生きるか』もその流れで“日本アニメブーム”の恩恵を大きく受ける結果となった


《タロイモ》

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中学生時代『スター・ウォーズ』に惹かれ、映画ファンに。Twitterでは興行収入に関するツイートを毎日更新中。

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