【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧

10月4日から13日に開催される第28回釜山国際映画祭の作品ラインナップが発表された。

グローバル マーケット&映画祭
【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
Courtesy of BIFF 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧
  • 【釜山国際映画祭2023】疑惑に揺れる中、200本を超える作品が決定 ラインナップ一覧

Courtesy of BIFF

10月4日から13日に開催される第28回釜山国際映画祭の作品ラインナップが発表された。

本映画祭には、リュック・ベッソン、中国のスーパースターであるファン・ビンビン、イランのモフセン・マフマルバフ監督、韓国系アメリカ人のジャスティン・チョンとリー・アイザック・チョン、そして日本からは濱口竜介監督と是枝裕和監督らが参加することが決定した。また、香港を拠点とするスーパースター、チョウ・ユンファはアジア年間最優秀映画監督賞に選出され、受賞式に出席する予定だ。そして韓国映画賞はイ・チャンドン監督のドラマ「ポエトリー アグネスの詩」(2010)主演女優の故・ユン・ジョンヒに贈られ、故・坂本龍一へのトリビュートも行われる。

Ryuichi Sakamoto|Opus

また、メインコンペティションの審査委員長を韓国の批評家チョン・ソンイル、そのほか審査員はフランスのエヴァ・カヘン、インドネシアのエドウィン監督、米国のクリスティーナ・オー、韓国のハン・ジュニ監督が務めると発表された。監督作が3本以上あるアジアの映画監督たちの作品によるコンペティション部門・Jiseokの審査委員長は、ヴズール国際アジア映画祭の共同責任者であるマルティーヌ・テルアンヌが務め、日本の西川美和監督、韓国のイ・グァングク監督と共に審査する。

映画祭はチャン・クンジェ監督の『Because I Hate Korea』のワールドプレミアで幕を開け、ニン・ハオ監督の中国映画業界風刺映画『The Movie Emperor』で幕を閉じる。ガラ・プレゼンテーションとしてはベルトラン・ボネロ監督の『The Beast』、ハン・シュアイ監督の『Green Night』、是枝監督の『怪物』が上映される。

30作品からなるIcons部門には、デヴィッド・フィンチャー監督のNetflix映画『The Killer』、ベルリン国際映画祭の金熊賞受賞作『アダマン号に乗って』、ケン・ローチ監督の『The Old Oak』、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『Anatomy of a Fall』、ヴィム・ヴェンダース監督の『Anselm』、 ヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』、ワン・ビン監督の『Youth (Spring)』、トラン・アン・ユン監督の『Pot-au-Feu』、マルコ・ベロッキオ監督の『Kidnapped』、アキ・カウリスマキ監督の『The Fallen Leaves』などが決定した。

Korean Diasporic Cinemaと題された韓国系監督に特化した部門には、 セリーヌ・ソン監督の『Past Lives』、リー・アイザック・チョン監督のオスカー受賞作『ミナリ』、アニーシュ・チャガンティ監督の『search/サーチ』、イ・チャンドン監督の『バーニング 劇場版』、ジャスティン・チョン監督の『Jamojaya』、コゴナダ監督の『コロンバス』といった6本のタイトルが並ぶ。

Past Lives ⓒCourtesy of A24

その他、注目の作品として、カラン・ジョーハル監督の『Rocky and Rani’s Love Story』、カトリーヌ・ブレイヤ監督の『Last Summer』、アリス・ロールバッハー監督の『La Chimera』、キム・チャンフン監督の『Hopeless』、ルハグヴァドゥラム・ピュレフ・オチル監督の『City of Wind』、ファム・ティエン・アン監督の『Inside the Yellow Cocoon Shell』、 ジェシカ・ハウスナー監督の『Club Zero』、ゴラン・ストレフスキー監督の『Housekeeping for Beginners』、オーストラリアのアカデミー賞候補作『Shayda』、モリー・マニング・ウォーカー監督の『How to Have Sex』、カミラ・アンディニとイファ・イスファンシア監督の『Cigarette Girl』、リュック・ベッソン監督の『Dogman』、行定勲監督の『リボルバー・リリー』が挙げられる。

一方、Screen Dailyによるとプログラマーで映画祭暫定チーフのナム・ドンチョル氏は作品選定を優先するあまり、BIFFフォーラムの会議セクションを削除せざるを得なかったことを認めた。また、世間を騒がせたことで多くのスポンサーが離れ、映画祭は運営予算を約100億ウォン(約11億円)に削減せざるを得なかったと語った。


とはいえ、メインプログラムでは209本、コミュニティBIFFでは60本が上映され、4会場24館(フェスティバルセンター、センタムシティのシネコン2館、コミュニティBIFF上映用の南浦洞ロッテ大洋映画館)で開催される大規模なアジアを代表する映画祭であることは間違いない。

ラインナップ一覧

📍オープニング/クロージング

The Movie Emperor
  • Because I Hate Korea/チャン・クンジェ(韓国)

  • The Movie Emperor/ニン・ハオ(中国)

📍ガラ・プレゼンテーション

影響力のある映画監督や俳優の芸術的功績を称える。

The Beast ©Carole Bethuel
  • Green Night/ハン・シュアイ(香港)

  • 怪物/是枝裕和(日本)

  • The Beast/ベルトラン・ボネロ(フランス、カナダ)

📍Icons

世界の現代を代表する映画作家の最新作を紹介。

悪は存在しない
  • A Brighter Tomorrow/ナンニ・モレッティ(イタリア、フランス)

  • About Dry Grasses/ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(トルコ、フランス、ドイツ、スウェーデン)

  • Anatomy of a Fall/ジュスティーヌ・トリエ(フランス)

  • Anselm/ヴィム・ヴェンダース(ドイツ)

  • Close Your Eyes/ビクトル・エリセ(スペイン、アルゼンチン)

  • Do Not Expect Too Much from the End of the World/ラドゥ・ジュデ(ルーマニア、ルクセンブルク、フランス、クロアチア)

  • Elegies/アン・ホイ(香港)

  • Essential Truths of the Lake/ラヴ・ディアス(フィリピン、フランス、シンガポール、ポルトガル、イタリア、スイス、イギリス)

  • Eureka/リサンドロ・アロンソ(フランス、アルゼンチン、ドイツ、ポルトガル、メキシコ)

  • 悪は存在しない/濱口竜介(日本)

  • Fallen Leaves/アキ・カウリスマキ(フィンランド、ドイツ)

  • Green Border/アグニエシュカ・ホランド(ポーランド、チェコ、フランス、ベルギー)

  • IN OUR DAY/ホン・サンス(韓国)

  • IN WATER/ホン・サンス(韓国)

  • Kidnapped/マルコ・ベロッキオ(イタリア、フランス、ドイツ)

  • La Chimera/アリーチェ・ロルヴァケル(イタリア、フランス、スイス)

  • Last Summer/カトリーヌ・ブレイヤ(フランス)

  • Menus Plaisirs - Les Troisgros/フレデリック・ワイズマン(アメリカ、フランス)

  • Music/アンゲラ・シャーネレク(ドイツ、フランス、セルビア)

  • アダマン号に乗って/ニコラ・フィリベール(フランス、日本)

  • Pictures of Ghosts/クレーベル・メンドンサ・フィリョ(ブラジル)

  • 哀れなるものたち/ヨルゴス・ランティモス(イギリス)

  • The Book of Solutions/ミシェル・ゴンドリー(フランス)

  • The Holdovers/アレクサンダー・ペイン(アメリカ)

  • The Killer/デヴィッド・フィンチャー(アメリカ)

  • The Old Oak/ケン・ローチ(イギリス、フランス、ベルギー)

  • The Plough/フィリップ・ガレル(フランス、スイス)

  • The Pot-au-Feu/トラン・アン・ユン(フランス)

  • The Shadowless Tower/チャン・ルー(中国)

  • Youth(Spring)/ワン・ビン(フランス、ルクセンブルク、オランダ)

📍Jiseok

24 Hours with Gaspar

3本以上の長編作品を持つ、実績のあるアジアの映画製作者を対象としたコンペティション部門。最優秀2作品にはキム・ジソク賞が贈られる。

  • 24 Hours with Gaspar/ヨセップ・アンギ・ノエン(インドネシア)

  • At the End of the Film/アン・スンギョン(韓国)

  • Blesser/イ・サンチョル(韓国)

  • Bride Kidnapping/ミルラン・アブディカリコフ(キルギス)

  • Doi Boy/ノンタワット・ヌンベンチャポル(タイ、カンボジア)

  • 市子/戸田彬弘(日本)

  • Moro/ブリランテ・メンドーサ(フィリピン)

  • Paradise/プラサナ・ヴィタナージ(スリランカ、インド)

  • Something Like an Autobiography/モストファ・サルワル・ファルオキ(バングラデシュ)

  • 月/石井 裕也(日本)

これらのほか下記部門が展開される。

その他部門のラインナップ(英語・韓国語)

A Window on Asian Cinema
アジア映画の様々なスタイルやビジョンを覗き見ることができる部門。

New Currents
アジアの新進気鋭の監督による長編1、2作目のコンペティションで、全作品がワールドプレミアまたはインターナショナルプレミア。

Korean Cinema Today - Special Premiere
特別な魅力とステータスを持つ現代韓国の主流商業映画の最新かつ代表的なセレクションを初公開。

Korean Cinema Today - Panorama
商業的な大作からアートハウス的な人気作まで、その年の最も重要で人気のあった韓国映画を紹介。

Korean Cinema Today - Vision
今年の韓国インディペンデント長編映画を厳選し、韓国映画の未来を垣間見るラインナップ。

World Cinema
著名な映画監督や国際映画祭受賞者の最新作を含む、その年のアジア以外の長編劇映画を紹介。

Flash Forward
革新的で独創的なアプローチをとるアジア以外の映画作家の長編1作目または2作目を対象としたコンペティション。観客の投票によって決定された賞が授与される。

Wide Angle - Korean Short Film Competition
Wide Angle - Asian Short Film Competition
Wide Angle - Documentary Competition
Wide Angle - Documentary Showcase
幅広い映画的視点と独特のビジョンを持つ、優れた短編映画やドキュメンタリー映画に特化したセクション。

Open Cinema
ポピュラーなものと芸術的なものをミックスし、国際的に高く評価されている新作映画のコレクションを屋外で上映。

Midnight Passion
スリラー、ホラー、アクション映画のコレクション。

On Screen
今年最も期待された、あるいは話題となった連続ドラマの発表。

Special Program in Focus I - CHOW Yun Fat: True Colors of a Hero
チョウ・ユンファの代表作2本と最新作の計3本を上映する。

Special Program in Focus Ⅱ - Korean Diasporic Cinema
OTTプラットフォームの急成長とK-Waveの世界的な広がりにより、ハリウッドから注目されている韓国系の映画作家に注目。

Special Program in Focus Ⅲ - Renaissance of Indonesian Cinema
映画製作において勢いを増しており、様々な魅力的な作品を発表しているインドネシア映画に注目。

Special Screening
特別上映。

Another Source:Variety
《伊藤万弥乃》

関連タグ

伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。