韓国コンテンツ振興院、OTTコンテンツへの資金提供を15億ウォン増やす計画を発表

韓国コンテンツ振興院(KOCCA)は、2022年の成果を振り返り、2023年の計画として、オーバー・ザ・トップ(OTT)ドラマの資金を15億ウォンから30億ウォンに引き上げるという野心的な目標を発表した。

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KOCCA公式サイトより KOCCA

韓国コンテンツ振興院(KOCCA)は、2023年の計画として、オーバー・ザ・トップ(OTT※)ドラマの資金を15億ウォンから30億ウォンに引き上げるという目標を発表した。

(※)インターネットを通じて提供されるコンテンツ配信サービスのこと

韓国コンテンツ振興院とは、文化産業の振興発展をサポートするために設立された公共機関。チョ・ヒョンレ社長、パク・キョンジャ戦略革新本部長、ビョン・ミヨン通信広報チーム長、パク・インナムイノベーション・タスク・フォースチーム(TFT)長が2022年12月20日、ソウル中心部の中区CKLビジネスセンターで行われたKOCCAの記者説明会に出席した。ゲームから韓国ドラマまで、韓国のコンテンツ産業は2021年に売上高136兆ウォン、輸出額135億ドルを記録。これを受けて政府は、Kコンテンツを通じた経済成長と文化的魅力の拡大を中核課題に設定した。

「“変えるべきものは変えなければならない”というモットーに、コンテンツ業界との絶え間ないコミュニケーションを通じて、KOCCAが期待するものと業界が実際に必要としているサポートのギャップを縮める努力をしてきた」とコメント。

イノベーションTFTは7月に設立され、KOCCAの優先課題として5つの戦略と21のタスクが設定された。1つ目は、組織のスリム化。細分化されたチームをより大きな部門に統合し、効率的な運営を図った。類似のプロジェクトや重複するプロジェクトは統合され、31あった部署は30%削減されて23となり、庁内の役職者も44人から35人と20%削減された。

また、少なくともOTTストリーミングプラットフォームのドラマシリーズについては、資金援助の量も大幅に増加する予定とのことだ。「テレビとOTTを合わせた放送作品への支援は、これまで15億ウォンだったが、OTTドラマについては30億ウォンに引き上げる予定だ。他の分野も資金を増やし、たとえプロジェクトが少なくても、各プロジェクトへの支援を増やすことを目指す」と述べた。実際、KOCCAが韓国文化体育観光省とともに支援したドラマ「財閥家の末息子」は最高視聴率26.9%を記録し、昨年のドラマ最高興行作になった。

また、業界から長年改善要望が出ていた「単年度支援による短い協約期間」の問題を解消するため、「多年度支援」も導入する。これにより、中長期的な視点での安定した制作環境が保証されることになる。あわせて、KOCCAの支援事業に対する「制作支援認証制」を施行し、完成したK-コンテンツの対外的な信用度とIP(知的財産)価値の向上を後押しする。

この背景には、コロナ禍の巣ごもり需要の中で、韓国コンテンツの人気がOTTプラットフォームを通じて世界的に高まったことが背景にあると見られる。2021年、Netflixのオリジナルシリーズ『イカゲーム』は世界中で大ブームとなった。その後も、2022年には『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』、年末に公開された『ザ・グローリー』も同サービスのランキング上位に上り詰めている。韓国のコンテンツ産業にとって、グローバルなOTT(動画配信サービス)市場は主戦場であり、ここでの成否がコンテンツ産業にとっても大きな意味を持つ。

イノベーションTFTのパク所長によると、KOCCAは来年、ドラマシリーズ17本(各最大30億ウォン)、非ドラマシリーズ10本(各約4億ウォン)に対する資金支援を計画しているとのこと。KOCCAの来年度予算はまだ確定していないが「特にOTTコンテンツや海外プロジェクトが増加していることから、昨年度より800億ウォン多い6200億ウォンを政府が通過させる見込み」だとチョ氏は述べた。

また、KOCCAの資金援助先を選定するための評価基準も大幅に変更される。そのひとつが、過去にKOCCAが開催したコンペティションで受賞したコンテンツ企業への加点制度。KOCCAは、この新制度により、優秀な企業の成長を加速させることを目指している。

さらに、ビッグデータと統計に基づき、事業支援方針をよりよく調整するためのデータセンターを設立し、資金調達の選定においてよりよい評価を得るために外部の専門家の声も求める予定である。「(韓国のコンテンツ企業は)国内市場だけでなく、国際市場でも競争しなければならない 」「そのために、十分な競争力を持つコンテンツを作る企業、特に中小企業への支援を拡大する。それこそが、持続可能なKコンテンツ産業の成長エンジンだ」とチョ氏はコメントしている。

同時に、KOCCAは若い才能の支援を強化するために、クォータ制を導入。「新たに資金援助を受けることになった企業の30%は、若い人(39歳まで)が経営することが義務づけられている 」とのことだ。「Kコンテンツは驚異的な成長を遂げたが、グローバルな産業が変化し続ける中で常に課題に直面している」「そのような変化に対応できるプロモーションやサポート体制の変革が必要だと痛感した。KOCCAは、大胆なイノベーションを通じて、K-コンテンツの持続的な成長を支え韓国を文化的に魅力ある国へと導いていく」と述べた。

Sources:KOCCAKorea Wave
《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。