コンテンツマーケット「TIFFCOM」内で実施されたオンラインセミナー、『動画配信サービスの現状とU-NEXTの戦略と展望』の内容をレポート。U-NEXTの代表取締役社長・堤天心氏が登壇し、日本の動画配信市場の動向とU-NEXTの今後の戦略について発表した。
✅記事のポイント
動画配信サービスを使ったことがない人は約64%。一人当たりのサービス使用数増も見込み、市場の伸び代に期待
映画やドラマだけでなく、音楽、ライブ、舞台、本、漫画等の拡大にも注力
経営戦略は「ALL IN ONE」豊富な作品数とジャンル、「ONLY ON」U-NEXTだけで楽しめる独占作品
サービスを通して業界全体に「作品鑑賞」の好循環を生み出す
まだまだ拡大が見込める国内動画配信市場、U-NEXTの会員数は右肩上がりに
日本の動画配信市場全体を見ると、昨年から今年にかけてコロナウイルスの影響もあり映画興行・パッケージと比較しても、動画配信が最も大きい市場となった。昨年は約4,610億円の市場規模だったが、5年後には約7,000億円を超える予想となっている。日本での動画配信サービスのマーケットシェアとしては、1位のNetflix、2位のAmazonプライム・ビデオに次いで、U-NEXTは3位。今年5月時点で約265万人の会員数を突破し、右肩上がりに伸びている。
日本において、一人当たりの動画配信サービスの平均利用数は、2021年において約1.7サービスとなっている。一方で、動画配信が先行している米国では2020年のデータで、3サービスを超えて登録している現状があり、将来的に国内でも動画配信での作品視聴が定着すれば、使用サービス数の増加が見込める。U-NEXTとしては、利用者にとっての二つ目、三つ目のサービスの選択肢に入り込むことも重視していると堤氏は話す。
しかしながら、まだ動画配信サービスを利用したことがない人は、約64%いるという現状も。未だにパッケージ商品・放送などを利用している人も多いため、そのような人たちが動画配信サービスを利用することで更なる伸び代が期待できると捉えている。