第2回ANIAFF、国際長編コンペ審査員と招待作品が決定。特別企画「アニメーションが描いたAI」で『楽園追放』など上映

2回目を迎えるANIAFFが、海外映画祭、教育、プロデュースの各分野から3氏を審査員に迎える。AIを制作技術ではなく「アニメの空想」として捉える特別企画や、インディーズ新作の招待上映もそろえ、名古屋発の国際映画祭として独自色を打ち出す。会期は2026年11月13日から18日まで。

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第2回ANIAFF、国際長編コンペ審査員と招待作品が決定。特別企画「アニメーションが描いたAI」で『楽園追放』など上映
第2回ANIAFF、国際長編コンペ審査員と招待作品が決定。特別企画「アニメーションが描いたAI」で『楽園追放』など上映

あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル実行委員会は、2026年11月13日(金)から18日(水)まで愛知県名古屋市で開催する第2回「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(通称ANIAFF)について、国際長編コンペティション部門の審査員3名、招待上映作品3本、特別企画「アニメーションが描いたAI」の上映作品を発表した。

2025年12月に誕生した同映画祭は、2回目となる今年、海外映画祭、教育機関、アニメーション制作・プロデュースの分野で活動する3氏を審査員に迎える。あわせて、AIを制作技術ではなく「アニメの空想のなかでどう描かれてきたか」という視点で取り上げる特集を組み、国際映画祭としての独自色を打ち出す。

国際長編コンペ審査員に海外映画祭・ストップモーション・プロデュース分野の3氏

国際長編コンペティション部門の審査員は、ルパート・ボッテンバーグ氏、伊藤有壱氏、櫻井大樹氏の3名。

ボッテンバーグ氏はカナダ・モントリオールを拠点に、編集者、ライター、ビジュアルアーティスト、イベントプロデューサー、コンテンツキュレーターとして活動している。2014年からはモントリオールのファンタジア国際映画祭でアニメーション部門のディレクターを務めており、世界のアニメーションの潮流を見てきた人物だ。

伊藤氏は東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の教授で、アニメーションディレクターでもある。NHK Eテレ『ニャッキ!』、CM『ポン・デ・ライオン』、宇多田ヒカル『traveling』のMV、短編『HARBOR TALE』などを手がけ、日本のストップモーションアニメーションを代表する作家として知られる。

櫻井氏はサラマンダーの代表取締役を務めるプロデューサー・脚本家である。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』で脚本家としてのキャリアを始め、その後はNetflixで『ポケモンコンシェルジュ』『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』などをプロデュースした実績を持つ。

特別企画「アニメーションが描いたAI」

特別企画「アニメーションが描いたAI」は、AIを制作技術としてではなく、アニメーションの空想の中でどのように描かれてきたかに注目する企画だ。アーティスティック・ディレクターの数土直志氏は「昨今話題のAIを制作技術でなく、アニメの空想のなかでどう描かれたかに注目してみました」と企画の意図を説明している。

上映作品は3タイトルだ。1本目は、水島精二監督・虚淵玄(ニトロプラス)脚本による2014年のオリジナル劇場作品『楽園追放 -Impelled by 10th Anniversary-』で、電脳世界ディーヴァへのハッキング事件を描き、3DCGによるキャラクター表現でも注目された。2本目は、2013年に放送されたオリジナルTVアニメーションの後日譚として2014年に制作されたOVA『翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~』前編・後編(村田和也監督)。3本目は、アリ・フォルマン監督による2013年のイスラエル・ドイツ・ポーランド・ルクセンブルク・フランス・ベルギー合作『コングレス未来学会議』で、自身のビジュアルをデジタルデータとして映画会社に売り渡した女優を描いている。俳優のデジタル複製と肖像権という、現在の映像産業が直面している論点を先取りした作品と言える。

トーク企画には、ゲームAI開発の第一人者でアニメにも造詣の深い三宅陽一郎氏が登壇し、水島監督とアニメに登場したAIについて対談する。村田監督もゲストとして参加する予定だ。

インディーズ作品と再評価作品に焦点、IP連動企画や監督特集も

招待上映は日本のアニメーション3本で構成する。西久保瑞穂監督の『ジョバンニの島』(2014年)は、審査員の櫻井氏がプロデュースした代表作でもある。終戦直後の色丹島を舞台に、日本人とロシア人の子どもたちの交流を描いた作品で、国際的に高く評価されながら、現在はスクリーンで観る機会が少なくなっている。

残る2本は2026年の新作で、袴田くるみ監督『ホロフェルネスの首を取れ』と土海明日香監督『もし、これから生まれるのなら』だ。前者は、後にバロック最大の女性画家となるアルテミジア・ジェンティレスキの若き日を描き、後者は生まれる前の双子が母を探して旅をする物語である。いずれも上映にあわせて監督が登壇するトークを予定している。数土氏は「インディーズ作品の才能に注目し、トーク企画や話題の作品を紹介します」とコメントしており、個人・少人数制作の作家を紹介する場としての役割も打ち出している。このほか、矢野ほなみ氏の特集上映も予定されている。

その他の部門でも、作り手を招いたプログラムが並ぶ。ディレクター・フォーカスでは出崎統監督を特集し、アーティストの村上隆氏が出崎監督(『劇場版エースをねらえ!』)の魅力を語るほか、幾原邦彦監督(『輪るピングドラム』『少女革命ウテナ』)が自らベストエピソードを選び、『ベルサイユのばら』を切り口に出崎演出を読み解く。オールナイト上映には神山健治監督が登壇し、「いかにアニメ監督になるのか」をテーマにしたトークも企画されている。

セミナー/連携プログラムとして、「LINE Digital Frontier連動企画 日本LINEマンガ作品 アニメ化の裏側-『クレバテス』」を実施。田口清隆監督と脚本家の小柳啓伍氏が来場する。

国際長編コンペティションの出品作からも、各国の監督が多数来場する予定だ。会場はミッドランドスクエア シネマ2、ウインクあいちなどを予定している。主催は実行委員会、企画・制作はジェンコで、愛知県と名古屋市が共催する。文化庁の文化芸術振興費補助金(映画祭支援事業)の助成を受け、ASIFA-Hollywoodが特別協力として参加する。

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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