宝塚大学メディア芸術先端教育開発センター東京は9月1日、アニメ・ゲーム・マンガ・映像などコンテンツ産業の次世代プロデューサー育成を目的とした公開講座「次世代プロデュース人材育成プログラム」の受講生募集を開始した。開講期間は2026年11月から2027年2月まで、受講料は無料、定員は20名程度で、応募締切は10月9日17時である。
同講座は、文化芸術活動基盤強化基金「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」の助成を受けて実施される。またTMACTは、5か年プロジェクト「NAPP(Neo Animator & Producer Project/次世代メディア芸術人材育成プロジェクト)」も展開している。
海外スタジオとの協働が前提の時代に。「つなぐ人材」の重要性高まる
同プログラムの背景にあるのは、コンテンツ産業における制作者以外の人材需要の高まりである。作品やIPを事業として成立させるうえで、多様な専門家をつなぎ、プロジェクトを実現へ導くプロデューサーの役割が一段と重視されるようになった。
TMACTセンター長で、東京メディア芸術学部および大学院メディア芸術研究科で教育・研究に携わる渡邉哲意氏は、プロジェクト紹介動画の中で、アニメをはじめとするメディア芸術分野では「国内での制作にとどまらず、海外スタジオやクリエイターとの協働がすでに前提となりつつある」と指摘。そのうえで、作品を生み出すクリエイターと、それを社会につなぐプロデューサーがどう連携して価値を生み出すか、その実践力を育てる教育が求められているとの認識を示している。
渡邉氏はまた、アニメ業界を支える人材が限られており、持続性の面で課題があると述べ、この分野に関わる人材の裾野を広げることが日本のコンテンツ産業全体の活性化につながるとの考えを示した。TMACTは同分野を志望する若年層の拡大に向け、高校との連携や探究学習との接続も視野に入れている。
マーケティングから法務・国際展開まで8科目。NAPP5か年構想の実証の場に
開講予定科目は「コンテンツのいま」「マーケティング」「ファイナンス」「法務」「パブリックリレーションズ」「国際展開」「マネジメント」「コンテンツプロデュース概論」の8分野。制度や市場動向、資金調達、権利処理、海外展開、人材マネジメントといった、プロデュース業務に不可欠な領域を横断的に扱う構成である。講師には業界の第一線で活躍する実務家と研究者を迎える。カリキュラムは9月18日に第2版へ更新された。
TMACTは2025年に設置された組織で、マンガ、イラストレーション、アニメーション、ゲーム、メディアデザインといった分野を横断するメディア芸術を通じ、教育・研究・社会連携を一体的に推進することを目的とする。その一環として展開されているのがNAPPであり、アニメを日本と海外のコンテンツをつなぐ「結節点」と位置づけ、翻訳・ローカライズ・国際広報・市場戦略といった知識と実践力を備えた人材の育成を掲げる。
NAPPは5年間の取り組みとして、大学院における新専攻の設置を視野に入れた教育プログラムの検討と、学部レベルでのクリエイター育成カリキュラムの開発を並行して進める。連携企業・団体・クリエイターとの協働により、プロデューサーおよびクリエイターに求められるスキルの調査・研究・実証・評価を行うほか、有識者によるシンポジウムや研究会の開催、海外ポップカルチャーイベントへの参加による市場動向の把握なども計画している。渡邉氏は、将来的な大学院教育の構想について、学生だけでなく社会人やこれから業界に関わろうとする多様な人材を含む「開かれた教育」を想定していると述べている。
応募は10月9日まで。全日程の継続受講が条件
応募資格は、2026年9月10日時点で18歳以上であること、原則として全日程を継続して受講できること、宝塚大学東京新宿キャンパス(東京都新宿区西新宿7-11-1)での対面講義に参加できること、日本語による講義内容を理解できることの4点をすべて満たす者。講義は同キャンパスでの対面形式で行われる。
募集期間は9月1日から10月9日17時まで。応募は専用フォームから受け付ける。選考結果は10月20日に、応募時に登録したメールアドレス宛へ通知される。講座およびプロジェクトの詳細は、TMACT公式サイトに掲載されている。

