インドで進む"アニメの日常化"、視聴者の96%がスマホ視聴。博報堂が生活者実態調査

インドのアニメ視聴者1,200人を対象とした調査で、スマートフォン視聴が95.9%を占め、モバイルファースト型の視聴環境が浸透していることが判明。アニメが友人とのコミュニケーションの共通言語として機能し、66%が友人と語り合っている。グッズ消費は日常使い用途が主流。

グローバル アジア
Q. 日本のアニメをどのような形式で視聴したいですか。(単一回答)
Q. 日本のアニメをどのような形式で視聴したいですか。(単一回答)
  • Q. 日本のアニメをどのような形式で視聴したいですか。(単一回答)
  • Q.アニメを視聴する際、普段どのようなデバイスを使用していますか。あてはまるものをすべてお選びください。(複数回答)
  • Q. どのプラットフォームでアニメを視聴していますか。(複数回答)
  • Q. アニメの吹き替えはどの言語が好みですか。最もあてはまるものを1つお選びください。(単一回答)
  • Q. アニメの字幕はどの言語が好みですか。最もあてはまるものを1つお選びください。(単一回答)
  • Q.どのようなアニメに関する活動をしていますか?
  • Q. 過去6か月間で、アニメ関連の活動にいくら支出しましたか。(単一回答)
  • Q. これまでにお金を使った、または購入したことのある商品はどれですか。(複数回答)

株式会社博報堂は2026年6月18日、インド拠点であるHakuhodo India Pvt. Ltd.の主導により実施した「日本のアニメIPに関するインド生活者実態調査(The Time Is Now調査)」の結果を発表した。デリー、ムンバイ、バンガロールなど主要8都市に在住する15~39歳のアニメ視聴者1,200名を対象としたもので、スマートフォンを軸としたモバイルファースト型の視聴環境が浸透していること、そしてアニメが友人同士のコミュニケーションの"共通言語"として機能している実態が浮き彫りとなった。

業界有識者へのヒアリングによれば、インドのアニメアクティブユーザーは約1億5,000万人に達し、総視聴時間では世界第3位、前年比16%増と急成長を遂げているという。日本のアニメIPホルダーや映像事業者にとって、参入好機を示唆する内容となっている。


スマホ視聴が95.9%、吹き替えはヒンディー語・字幕は英語の選好が鮮明に

調査結果によれば、アニメ視聴に利用するデバイスはスマートフォンが95.9%と圧倒的多数を占め、次いでテレビが72.3%、パソコンが37.8%、タブレットが19.8%と続いた。移動中や就寝前など、生活のあらゆるシーンでアニメが視聴される環境が整っていることがうかがえる。

Q.アニメを視聴する際、普段どのようなデバイスを使用していますか。あてはまるものをすべてお選びください。(複数回答)

視聴プラットフォームについては、Netflixが74.0%でトップとなり、JioHotstar/Disney+が69.1%、YouTubeが68.8%、Amazon Primeが56.4%と続き、OTTサービスが上位を占めた。一方でCartoon Networkも48.0%、その他のTVチャンネルが41.0%と、従来のTV放送も依然として一定の利用率を維持しており、デジタルとアナログが融合した視聴環境が形成されている。

Q. どのプラットフォームでアニメを視聴していますか。(複数回答)

音声・言語選好では、吹き替え版が61.1%と過半数を占め、字幕版(オリジナル日本語音声)が35.1%、字幕なしのオリジナル音声視聴は3.8%にとどまった。吹き替え言語ではヒンディー語が73.1%と突出し、英語が21.6%でこれに続いた一方、字幕言語では英語が68.9%と最も好まれ、ヒンディー語は23.3%にとどまるという対照的な結果となった。

Q. アニメの吹き替えはどの言語が好みですか。最もあてはまるものを1つお選びください。(単一回答)
Q. アニメの字幕はどの言語が好みですか。最もあてはまるものを1つお選びください。(単一回答)

アニメは"共通言語"へ、66%が「友人と語り合う」 SNS発信も活発

アニメ関連活動として最も多かったのは「友人とアニメについて会話する」で66.0%。次いで「SNSでアニメ関連投稿をする」が44.3%、「SNSでインフルエンサーやアニメクリエイターをフォローする」が43.4%、「アニメ視聴パーティーを友達とする」が36.8%と、オンライン・オフラインを問わず"人とつながる"アクティビティが上位に並んだ。アニメが単なる視聴コンテンツではなく、友人や仲間との交流を生むコミュニケーションの共通言語として機能している実態が明らかとなった。

Q.どのようなアニメに関する活動をしていますか?

その一方で、「コスプレ」は10.5%、「アニメイベントへの参加」は22.3%、「アニメクラブへの参加」は20.7%と、より深いファン活動は限定的にとどまる。他国の市場と比較するとオフラインのオタクカルチャー消費はまだ発展途上にあり、今後の成長余地が大きく残されていることを示唆する結果となった。

グッズ消費は"使う消費"が主流、アパレルが72.1%でトップ 市場拡大の余地大きく

過去6カ月間のアニメ関連支出を聴取したところ、有職者では1,500~2,000ルピー帯(約2,550~3,400円、1ルピー=1.7円換算)が35.3%で最多。学生・専業主婦では500~1,000ルピー帯(約850~1,700円)が36.8%で最多となった。6,000ルピー以上を支出するヘビースペンダーは有職者で2.1%、学生・専業主婦で2.9%にとどまる。1,500~2,000ルピーを月額換算すると約250~333ルピーで、調査対象者の家庭平均月収(約90,000ルピー)に対する割合はわずか0.3~0.4%にすぎず、視聴熱量と比較して消費支出への転換は依然限定的な段階にある。

Q. 過去6か月間で、アニメ関連の活動にいくら支出しましたか。(単一回答)

購入されているグッズのトップは「アパレル(Tシャツ、パーカーなど)」で72.1%、次いで「文房具」が66.7%、「アクセサリー(キーホルダー、ジュエリー、リストバンド、バッジなど)」が56.3%、「バッグ・リュックサック」が55.8%と続いた。上位は日常的に身につけたり持ち運んだりできる"日常使いグッズ"が占めており、アニメが自己表現の手段として生活に溶け込んでいる様子がうかがえる。一方、「トレーディングカード」(37.9%)、「フィギュア・プラモデル」(31.3%)、「ぬいぐるみ」(31.1%)、「アクリルスタンド」(18.7%)といった収集・展示系アイテムは相対的に下位に位置し、インドのファンは"収集・展示する消費"よりも"使う消費"を好む傾向が示された。

Q. これまでにお金を使った、または購入したことのある商品はどれですか。(複数回答)

Hakuhodo Indiaの調査担当者は、インドの巨大なユーザー基盤と高いエンゲージメントは今後のマネタイズに向けた大きなポテンシャルを示しているとしたうえで、「先行者利益を得やすい今こそインド市場への参入好機」とコメントしている。博報堂は今後も本調査をはじめとする知見やネットワークを活用し、日本のアニメIPの海外進出支援を進めていくとしている。

なお、本調査はINTAGE INDIA Private Limitedが調査機関を担当し、2025年12月から2026年1月にかけて、15~39歳の男女1,200サンプル(各年代400サンプル)を対象に対面式定量調査、ホームビジットインタビュー、有識者インタビューを組み合わせて実施された。

《Branc編集部》

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