TIFFCOM 2025、東南アジア・中国映画関連のセミナーを追加発表。国際共同製作や中国の最新市場動向に焦点

TIFFCOM 2025では東南アジアとの共同製作や中国市場動向に焦点を当てたセミナーやパビリオンが開催される。

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TIFFCOM 2025、東南アジア・中国映画関連のセミナーを追加発表。国際共同製作や中国の最新市場動向に焦点
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2025年10月29日から31日まで東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される、東京国際映画祭(TIFF)併設のコンテンツマーケット「TIFFCOM 2025」。その主要イベントであるセミナーのラインナップが新たに発表された。今回は、急成長を遂げる東南アジアとの国際共同製作のケーススタディや、大規模なプロモーションを展開する中国映画界の最新動向に焦点を当てたセッションが明らかとなり、アジア市場との連携を目指す業界関係者から高い注目を集めそうだ。



東京国際映画祭コンペ選出作『死のキッチン』を題材に、東南アジア国際共同製作の今を探る

今回の目玉の一つが、日本映画製作者連盟とユニジャパンが主催する国際共同製作セミナーだ。本セミナーでは、2024年のTokyo Gap-Financing Market (TGFM)参加企画であり、第38回東京国際映画祭コンペティション部門にも選出されたタイ、シンガポール、台湾、ルクセンブルク、USAによる合作映画『死のキッチン』(原題:Morte Cucina)をケーススタディとして取り上げる。

セッションには、同作のペンエーグ・ラッタナルアーン監督をはじめ、プロデューサーのソーロス・スクム氏、共同プロデューサーのステファノ・チェンティーニ氏らが登壇。多国間での映画製作における実践的な知見や課題解決のプロセスを共有する。さらに、パネルディスカッションでは「夢舞い上がるASEANアニメーション」と題し、東南アジアと日本のアニメーション業界をよく知る登壇者たちが、今後のビジネスの可能性について議論を交わす。モデレーターはmylabのローナ・ティー氏が務める。

中国映画界が大規模パビリオン出展、最新作プロモーションで国際協業を促進

中国電影合作制片公司(CFCC)は、TIFFCOM 2025において「チャイナ・フィルム・パビリオン」を出展し、中国と国際映画産業との交流・協力を強力に推進する。同パビリオンには、近年の中国映画業界から約70の企業・団体が集結し、180本以上もの厳選された高品質な作品が紹介される予定だ。

パビリオンの目玉イベントとして「中国映画プロモーション」を開催。選りすぐりの代表的な映画会社が登壇し、それぞれの最新プロジェクトや作品を発表する。巨大市場である中国の最新コンテンツの動向を直接把握し、新たなパートナーシップを模索する絶好の機会となるだろう。

『中国映画ブルーブック2025』がTIFFCOMで初版発表、データで読み解く巨大市場の現在

中国の映像産業の動向を深く分析する年鑑『中国映画ブルーブック』および『中国テレビドラマブルーブック』の2025年度版発表会が、TIFFCOM内で開催されることも決定した。北京大学と浙江大学がそれぞれ編集を手掛ける本青書は、中国の映像作品の創作状況や産業構造を総括し、年間「トップ10」作品の深掘り分析などを掲載している。

これまでベルリン国際映画祭や上海国際映画祭などで発表され、世界各国の大学でもシンポジウムが開催されてきた。今回、編集長である陳旭光教授、範志忠教授らが登壇し、最新版の内容を解説する。世界の映像関係者が中国市場を理解するための重要な窓口として、本発表会は大きな関心を集めることが予想される。

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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