株式会社TBSホールディングスは2025年9月7日、ベトナムの国営放送局であるVietnam Television(以下、VTV)との戦略的アライアンス締結を発表した。
本提携のキックオフプロジェクトとして、TBSが誇る人気コンテンツ『SASUKE』のベトナム版である『SASUKE Vietnam』が7年ぶりに復活することも発表された。両社はこれを皮切りに、番組の共同開発や相互展開を加速させ、アジア全域、さらには世界市場に向けた新たなコンテンツ構築を目指すとしている。
ドラマリメイクや人材交流も視野に。多角的な協力で新たなコンテンツ創出を目指す
今回の戦略的アライアンスは、『SASUKE Vietnam』の復活に留まらず、TBSコンテンツのベトナムにおける放送・配信、TBSドラマのベトナム版リメイク、VTVが制作する24時間英語ニュースチャンネル「Vietnam Today」の日本での配信協力、そして新たなコンテンツの共同開発など、多岐にわたる連携を深めていく方針だ。
さらに、コンテンツビジネスにおける人材交流の促進も重要な柱の一つであり、両社はセミナーやワークショップを共同で実施する予定だという。
TBSとVTVの協力関係は2012年の包括提携に始まり、共同制作ドラマ『The Partner ~愛しき百年の友へ~』(2013年)や、人気ドラマ『タイヨウのうた』のベトナム版共同制作(2015年)など、10年以上にわたる実績がある。これまでの番組フォーマット販売や番組制作協力といった関係性をさらに深化させ、コンテンツ(知的財産)の共同創出という新たなステージへと移行する。
日越文化交流の架け橋から、グローバルコンテンツの共同発信拠点へ
本アライアンス締結にあたり、両社のトップはグローバル市場への強い意欲を示した。
TBSホールディングスの阿部龍二郎代表取締役社長は、「VTVとTBSが長年培ってきたクリエイティビティと制作力は、放送の枠を越え、新たなビジネスや体験を創出すると信じている。心揺さぶるコンテンツで、ベトナムや日本、そして世界中の人々に、感動と喜びを届けていきます」とコメントした。
また、Vietnam TelevisionのNguyễn Thanh Lâm社長は、「この提携は、両局だけでなく、両国、地域、そして世界中の視聴者にとっても、実質的かつ実践的な価値を生み出すものと確信しています」と述べ、コンテンツ共有から新プロジェクトの共同開発まで、幅広い分野での協業に期待を寄せた。
両社はこの強固なパートナーシップを通じて、日越両国の文化交流の架け橋としての役割をさらに強化するとともに、アジアにおけるコンテンツ共同開発・発信の拠点となることを目指す。