2025年10月29日から31日までの3日間、東京国際映画祭(TIFF)併設のコンテンツマーケット「TIFFCOM 2025」が、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される。アジアを代表する本マーケットにおいて、ソニー・ピクチャーズ インターナショナルプロダクションズ(SPIP)の幹部が登壇する、IP(知的財産)の映像化戦略に関するセミナーが新たに発表された。世界的に成功を収める日本発IPのグローバル展開に関心を持つ業界関係者にとって、注目すべきセッションとなりそうだ。
ソニー・ピクチャーズのグローバル戦略責任者が語る「IPアダプテーション」の神髄
今回新たに発表されたのは、ソニー・ピクチャーズ インターナショナルプロダクションズ(SPIP)のクリエイティブ・プロダクション エグゼクティブ・バイス・プレジデント & ソニー・ピクチャーズ インターナショナルプロダクションズ 部門長であるシェブネム・アスキン氏が登壇する「IPアダプテーション戦略」セミナー。開催日時は10月30日(木)13時から。
アスキン氏は、在任中に数々のヒット作を手掛けており、日本のIPである『Shall We ダンス?』の最新メキシコ版リメイクも製作するなど、日本コンテンツの海外展開にも深く関わった経験がある。
SPIPは、『キングダム』シリーズのような日本IPの映像化を成功に導き、各国のローカルプロダクションを積極的に推進することで、ソニーのグローバルな劇場公開映画戦略において中心的な役割を担っている。本セミナーでは、同社が手掛けた『50回目のファーストキス』のタイ版リメイクや、日本IP『百円の恋』の中国版リメイクで大ヒットを記録した『YOLO 百元の恋』など、言語や文化の壁を越えたグローバルリメイクの具体例を提示。ローカルIPを国際的に展開するための戦略と、多様化する市場でIPをローカライズする手法について語られる予定だ。
日本発IPの海外展開を加速、「Tokyo IP Market」がピッチイベント初開催
また、今年のTIFFCOMでは、日本IPのグローバル映像化をサポートする取り組みとして、IPマーケットが進化する。昨年までの「Tokyo Story Market」は、リメイク権を持つ映像制作会社も参加対象に加え、「Tokyo IP Market: Adaptation & Remake」としてリブランディング。マンガや小説といった出版物だけでなく、映像作品のリメイク権まで取り扱いIPを拡大する。
さらに、本年度から初の試みとして、参加企業によるオープンピッチイベントが開催されることが決定した。10月29日(水)に開催されるこのピッチには、KADOKAWA、講談社、主婦と生活社、スクウェア・エニックス、東映、日本文芸社が参加。日本の有力IPホルダーが自社のコンテンツを直接プレゼンテーションする貴重な機会となり、新たな映像化案件を探す国内外のプロデューサーやIPスカウト担当者にとって見逃せないイベントとなりそうだ。
【TIFFCOM 2025 開催概要】
開催期間: 2025年10月29日(水)~ 31日(金)
会場: 東京都立産業貿易センター浜松町館
主催: 経済産業省、総務省、公益財団法人ユニジャパン
公式サイト: https://tiffcom.jp/