公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)は、文化庁および独立行政法人日本芸術文化振興会の委託事業として、「クリエイター等育成プログラム(短編アニメーション分野)New Way, New World: Program for Connecting Japanese Animators to the World」(略称:NeW NeW)の第2期アーティスト公募を開始した。本プログラムは、海外進出を強く意識する日本の有望な短編アニメーション作家を発掘し、新作企画のブラッシュアップから国際的なネットワーキング機会の提供まで、約10ヶ月間にわたり集中的に支援することで、グローバルに活躍できるアニメーション作家の輩出と日本アニメーションの国際的プレゼンス向上を目指すものだ。
企画開発費140万円(上限)を支援、プロデューサーとの協働を重視
「NeW NeW」は、採択された作家に対し、各分野のプロフェッショナルによるコーチングを通じて新作企画のブラッシュアップを支援する。具体的には、脚本やビジュアル制作へのアドバイス、ピッチ資料制作の訓練、そして実際のピッチ機会の提供などが含まれる。
また、国内外の専門家によるレクチャーやワークショップ、さらには新千歳空港国際アニメーション映画祭やアヌシー国際アニメーション映画祭、ひろしまアニメーションシーズンといった国内外の主要アニメーション映画祭への渡航支援も行い、作品発表やネットワーキングの機会を創出する。
特に第2期からは、作家とプロデューサーとの協働がより重視されるプログラム内容となる。プロデューサーを伴って応募する場合には審査時に加点され、プロデューサーがいない採択者には、育成期間中にNeW NeW事務局側でプロデューサーとのマッチング機会が設けられる予定だ。新作の企画開発に関わる費用の一部も、上限140万円で支援され、アーティスト自身の活動費に充てることも可能だ。
著名な国際的アドバイザー陣が参加
プログラムのアドバイザーには、カンヌ監督週間セレクターのアレックス・デュドク・デ・ヴィット氏、Miyuプロダクションズのエマニュエル=アラン・レナール&ピエール・バウサッロン氏、オタワ国際アニメーション映画祭アーティスティック・ディレクターのクリス・ロビンソン氏といった国際的に著名なアニメーション業界のプロフェッショナルが名を連ねる。日本からは、ひろしまアニメーションシーズンプロデューサーの土居伸彰氏、アニメーション作家の山村浩二氏らが参加し、多角的な視点から作家の成長を後押しする。
応募条件と選考プロセス
本プログラムの応募対象者は、自身が監督等を務めるアニメーション等映像作品の制作経験があり、新作短編アニメーション作品の企画アイデアを持ち、第三者からのアドバイスを柔軟に受け入れて企画開発を行う意思がある者で、日本国籍または日本の永住資格を有する者に限られる。短編アニメーションは30分未満のアニメーション作品を指す。
選考では、国内・海外の映画祭での選出歴や受賞実績、過去の文化庁事業採択実績に加え、プロデューサーと組んでの応募に加点が付与される。
採択人数は3名程度を予定しており、育成期間は2025年11月1日(土)から2026年8月31日(月)までの約10ヶ月間となる。募集期間は2025年6月30日(月)から7月18日(金)17:00(日本時間)まで。選考は書類選考(一次審査)とオンライン面談等(二次審査、英語で実施、通訳サポートあり)を経て行われ、8月下旬に採択が通知される予定だ。
日本の短編アニメーションが世界市場でさらなる存在感を発揮するため、「NeW NeW」プログラムは重要な役割を担うことだろう。海外展開を目指す意欲あるアニメーション作家にとって、またとない機会となるに違いない。
応募要項は公式サイトで確認できる。