カンヌ国際映画祭の学生映画部門である「ラ・シネフ(La Cinef)」の受賞結果が2025年5月22日(現地時間)、フランス・カンヌで発表され、日本のENBUゼミナール2023年度監督コース卒業生である田中未来監督の作品『ジンジャー・ボーイ』が共同3等賞に輝いた。世界646の映画学校から2679作品の応募があった中での選出であり、日本の若き才能が国際的な舞台で高く評価された。
ラ・シネフ部門は、世界中の映画学校の学生が制作した作品を対象としており、若手映画監督の登竜門として知られる。今年は16作品がノミネートされていた。
最優秀賞である1等賞には、韓国映画アカデミー(KAFA)のホ・ガヨン監督による『FIRST SUMMER』が選ばれ、賞金15,000ユーロが授与された。2等賞は北京電影学院(中国)のク・ジジョン監督『12 MOMENTS BEFORE THE FLAG-RAISING CEREMONY』で、賞金11,000ユーロが贈られた。
そして、田中未来監督の『ジンジャー・ボーイ』は、エストニア芸術アカデミーのナタリア・ミルゾヤン監督作『WINTER IN MARCH』と共に共同3等賞を受賞し、それぞれ賞金7,500ユーロが授与されることとなった。
受賞した各作品は、6月6日にパリのシネマ・デュ・パンテオンで再上映される予定。
ENBUゼミナールから学生部門に選出されるのは、新作映画『ルノワール』が、今年の同映画祭コンペティション部門に選出された早川千絵監督の2014年作品『ナイアガラ』以来2度目だった。早川監督に続く新たな才能として今後の活躍が期待される。
今回の田中監督の受賞は、日本のインディペンデント映画界、そしてこれから世界を目指す若いクリエイターたちにとって、大きな励みとなりそうだ。