一般財団法人デジタルコンテンツ協会(以下、DCAJ)は、国内の動画配信市場の実態を明らかにすることを目的に独自調査を実施し、その結果をまとめた『動画配信市場調査レポート2025』を4月23日に発行した。

本レポートによると、2024年における国内の動画配信市場規模は5,710億円(前年比106%)に達したと推計されており、新型コロナウイルス感染拡大による急速な拡大期を経て、ユーザーの定着とともに市場は成熟期に差し掛かっていると分析している。
また、技術革新と視聴スタイルの多様化を背景に、今後も緩やかな成長が見込まれており、2029年には市場規模が6,780億円に達するとの見通しを示している。配信プラットフォーム間の競争は激化しており、サービスの質の向上が市場成長の原動力となっている。DCAJは、今後も競争環境を軸とした持続的な市場拡大が続くと予測している。
成熟市場における新たな成長の兆し
今回の調査では、2024年の動画配信市場規模を、5,710億円(前年比106%)と推計。定額制動画配信(SVOD)を中心に、有料配信サービスでは料金体系や提供形態の多様化が進み、特に「広告付き低価格プラン」の導入がユーザーの支持を集めている。また、スポーツ分野ではマルチアングル視聴や見逃し配信機能の拡充が進み、視聴体験の質的向上が顕著であるという。

一方、スマートフォンによる視聴の増加により、短尺・長尺それぞれの動画に対する視聴シーンが明確に分化しており、各配信事業者は利用状況に応じたコンテンツ戦略を展開している。さらに、コネクテッドTVやスマートTVの普及によりオンデマンド視聴は加速度的に拡大。AIによるレコメンドの高度化など、視聴体験の個別最適化も進展している。
今後の市場展望:2029年には6,780億円規模へ
DCAJは、今後も技術革新や視聴スタイルの多様化を背景に、市場の成長は継続すると見ており、2029年には市場規模が6,780億円に達するとの見通しを立てている。

とりわけ、AR/VRやメタバースといった新技術の活用による没入型コンテンツの台頭、さらにはリアルタイム性の高いスポーツ・音楽ライブ分野の進展が、新たな成長ドライバーとなることが期待される。
市場の定義とレポートの範囲
本レポートでは、「動画配信」をVOD(Video On Demand)サービスに加え、ライブ配信といった新たなジャンルも含めて定義している。国内の主要な動画配信事業者として、NTTドコモ(Lemino)、U-NEXT、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Disney+、DAZN、TVer、AbemaTVなど、計21の事業者の最新動向とサービス概要が網羅されている。調査対象となる市場は、有料の動画配信サービスに限定されており、2024年1月から12月にかけてユーザーが実際に支払った金額をもとに算出されている。広告収入は含まれていない。
海外動向や主要事業者の動きも詳述
巻頭には、株式会社ビデオマーケットの代表取締役社長・小野寺圭一氏による特別寄稿「動画における海外配信市場の現状・トレンドのまとめと今後起こる変化に関する考察」が収録されており、グローバル市場における動向と課題にも言及している。
【書誌情報】
品 名: 動画配信市場調査レポート2025
発 行: 一般財団法人デジタルコンテンツ協会
仕 様: 形式:PDF143頁【ダウンロード】
発 刊: 2025年4月23日
価 格: 定価13,200円(本体12,000円+税)
販 売: SPIインフォメーション
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