映像クリエイターの祭典「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」が開催。今年度は「OUT OF FRAME」をテーマに映像制作者を広く捉え、新たなヒントを提供する場として開催された。創作に関する様々なテーマのトークセッションが催されたが、その中から、今回は女性クリエイター3人が登壇した「クリエイターとして生きる私たち ー子育てしながら最高の作品をつくるー」のレポートをお届けする。
登壇者は、アートディレクター・ディレクター・イラストレーターの鈴木友唯氏、演出家の古屋遙氏、俳優でプロデューサーのMEGUMI氏、MCは編集&ライター&プロデューサーの山本加奈氏が務めた。
子育てと仕事の両立にはチーム作りが重要
鈴木氏は、子ども向け番組のイラストやセット制作を行っている。その他、こども図工教室YAKKEや子ども向けのワークショップを全国で開催している。
古屋氏は英国ブリストル大学演劇学科を卒業後、ミュージックビデオをはじめとした映像演出の他、ファッションショーやライブ、展示といった空間演出も得意としており、企業や行政をパートナーにさまざまな体験設計を行なっている。
MEGUMI氏は、俳優として活動するだけでなく、近年は映像作品の企画・プロデュースも手掛けている。竹中直人監督の映画『零落』(2023年)や、テレビ東京で放送されたドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』などをプロデュース、今年はカンヌ国際映画祭でJAPAN NIGHTを主催するなど、精力的に活動している。
実際に3人は子育てをしながらプロとしてどのように創作活動を行っているのだろうか。
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1歳の男児を持つ鈴木氏は、スライドで出産前と出産後の一日の時間表を見せてくれた。
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出産前は一日の半分以上を仕事に費やし、時には終電で飲みに行くという生活だったそうだが、出産後には午前7時に起床、仕事は17時に終えて子供を保育園に迎えに行く生活となったという。
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出産前は、「良い作品を作ること」を一番大切にしてきたそうだが、その人生が大きく変わったそうだ。そして、後輩のよき手本になりたいという思いもあり、子供を産んだからといってキャリアのペースを止めたくないと考えた。しかし、ワンオペ状態に陥り、心身のバランスを崩してしまったという。