UCLAハリウッド多様性レポート:女性や有色人種らがストリーミング視聴率を牽引していることが明らかに

UCLAの報告書によると、ストリーミングサービスで女性とBIPOC(有色人種や先住民)が視聴率を牽引。劇場公開作品でも同様の結果となっている。

働き方 調査・統計
UCLAハリウッド多様性レポート:女性や有色人種らがストリーミング視聴率を牽引していることが明らかに
Image by Freepik UCLAハリウッド多様性レポート:女性や有色人種らがストリーミング視聴率を牽引していることが明らかに
カリフォルニア大学ロサンゼルス校が発表したハリウッド多様性レポートによると、女性とBIPOC(黒人、先住民、有色人種)の人々がストリーミング映画の視聴率を牽引していることがわかった。

今年3月に公開された第一弾の劇場公開作品を中心にした調査結果でも、女性とBIPOCが映画館の興行収入を牽引していることが明らかになっていた。第二弾となるこのレポートでは、Amazonプライム・ビデオ、Apple TV+、Disney+、Hulu、Max、Netflix、Paramount+、Peacockなどの主要なストリーミングプラットフォームで2023年に公開された英語脚本の映画トップ100における主演俳優の性別・人種・障がい状況、キャスト・脚本家・監督の多様性、ジャンル、予算、視聴率などが調査された。

世帯視聴率ランキング上位10作品のうち9作品、上位20作品のうち17作品(Netflixの『ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~』『マーダー・ミステリー2』『終わらない週末』など)において女性が視聴者の大半を占めた。同様に、『ザ・マザー』(55.9%)や 『ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~』(50%)など、世帯視聴率ランキング上位10作品のうち9作品、上位20作品のうち18作品ではBIPOC世帯の視聴率が高かった

劇場公開作品の雇用に関して、Varietyは「2022年以降ハリウッドの劇場映画部門では主演、監督、脚本家、俳優全体など主要な雇用分野でBIPOCが増加しているが、最前線に立っているかと言われればまだ不十分だ」と指摘。また2023年、4つの主要な雇用分野のうち3つ(劇場用映画の主演、脚本家、俳優全体)で女性が劣勢に立たされていた。ストリーミング作品では、有色人種と女性はスタッフとして多くの機会を得ており、有色人種の監督が担当したストリーミング映画は31.0%に達し(劇場映画は22.9%)、女性監督は劇場公開作品(14.7%)のほぼ2倍の31.0%となった。しかし未だ低い割合であると言える。

また、ストリーミング作品と劇場公開作品の予算を比較した結果も出ている。
《伊藤万弥乃》

関連タグ

伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

編集部おすすめの記事