FilmLAが撮影日数のデータを発表、ロサンゼルスでの撮影が5年間の平均を20%下回る

昨年のストライキ以降、ロサンゼルスの映画・テレビ制作は回復しつつあるが、未だストライキ前の水準には及んでいない。テレビ番組の撮影数は16.2%減少し、長編映画はわずかに増加したが、昨今の映画業界の制限について非難の声もあがっている。

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FilmLAが撮影日数のデータを発表、ロサンゼルスでの撮影が5年間の平均を20%下回る
Christian Drei KubikによるPixabayからの画像 FilmLAが撮影日数のデータを発表、ロサンゼルスでの撮影が5年間の平均を20%下回る
FilmLAが発表したデータによると、ロサンゼルスでの映画・テレビ制作は昨年のストライキから回復しつつあるが、未だストライキ前のレベルを下回っているとのことだ。

2024年第1四半期の撮影日数は6,823日となり、2023年第4四半期から23%増加。しかし、このレベルは2023年の同時期を8.7%下回っており、この期間の5年間の平均と比べても20.5%下回っている。

また、テレビ番組の撮影本数は第1四半期は前年同期比で16.2%減少。5年間の平均と比べると32.8%減少した。カテゴリ別で見ると、比較的ロケの多いテレビドラマの撮影日数は5.5%減、ロケの少ないテレビコメディの撮影日数は51.5%減となった。ストライキの直接の影響を受けなかったリアリティ番組の撮影日数も18.6%減の1,317日を記録した。さらにテレビとウェブ用のCM制作も第1四半期は減少し、9.6%減という結果になった。

一方、長編映画の制作は634日とわずかに増加し、2023年の同時期を6.6%上回った。また、過去の内訳として、2023年第4四半期に制作された7本の長編映画は、カリフォルニア州映画&テレビ番組税額控除プログラムに関連する作品が多かったとのことだ。

ロサンゼルス市および郡の公式映画事務所であるFilmLAは昨年のストライキだけでなく、ランナウェイ・プロダクションや、シリーズのキャンセル、コンテンツ支出の計画的な削減によって、業界の生産性や仕事の機会を制限されていると非難。2024年の1月から3月に活動したロサンゼルスで撮影許可を受けた作品に関連するキャストとクルーの雇用は、2023年の同月と比較して少なかった。その差は1月が30.6%減と最も顕著であったが、2月には緩やかになり、3月末までには0.4%減とほとんど観察できなくなったとのこと。FilmLAの社長ポール・オードリー氏は「仕事も収入も得られない数ヵ月を乗り切った多くの人々は、(ストライキによる)休暇後に撮影がすぐに再開されることを期待していた」「生産が本当に安定したのは3月になってからだった」と述べている。

※撮影日数の数字は、FilmLAがサービスを提供する管轄区域内で許可された制作日数に基づいている。1つの「撮影日」は、1人のクルーが任意の24時間の全部または一部の間に1つまたは複数の定義された場所で撮影することを許可されたものと定義されている。
※FilmLAが報告した5年間の平均は、2020年を除外している。

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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