AIへの支出が2028年までに130億ドル超えとの予測、映画・TV技術者の42%が「AIは人に害を及ぼすだろう」と懸念

フランスで開催されたTVシリーズに特化したイベント「Series Mania Festival」で、AI(人工知能)への支出が2028年までに130億ドル(約2兆円)を超えるとの予測が発表された。

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AIへの支出が2028年までに130億ドル超えとの予測、映画・TV技術者の42%が「AIは人に害を及ぼすだろう」と懸念
Photo by Tara Winstead AIへの支出が2028年までに130億ドル超えとの予測、映画・TV技術者の42%が「AIは人に害を及ぼすだろう」と懸念

AIへの支出、2028年までに130億ドル超えとの予測

3月21日(木)、フランスで開催されたTVシリーズに特化したイベント「Series Mania Festival」で、AI(人工知能)への支出が2028年までに130億ドル(約2兆円)を超えるとの予測が発表され、その内訳は、分析・開発・配給、パーソナライゼーションや発見といったカスタマー・エクスペリエンスなど、ほぼ均等に分散されていることが明らかとなった。Varietyが報じている。

この莫大な数字を見て、「自分の仕事が生成AIに奪われるのではないか」との不安を抱いた人々に向け、英ハイテク産業調査部門Omdiaと、世界のエンターテイメント企業を分析するPlum Researchの調査員がAIの使用について、「生成AIを武器としてではなく、ツールとして捉えることで不安を和らげようとした。生成AIの長所と短所を指摘し、品質と信頼性の観点ではアウトプットのコントロールが困難なため、映画やTV制作よりも短編広告やウェブ動画、試作動画の制作に役立つだろうと述べた。

OmdiaとPlum Researchは、その例として生成AIが絵コンテやアニマティック(シュミレーション映像)のプロセスを簡易化できる点を挙げ、AIは物体の追跡やリアルタイムの予測に適していることから、ライブスポーツで多用されるだろうとも予測。さらにポストプロダクションの分野では、生成AIが画像のグレーディングや色補正、フレームレートの向上において重要な位置を占めるようになり、リアルタイムのダビングとキャプション技術の正確さと費用対効果も期待できるとしている。

映画・TV技術者の42%が「AIは人に害を及ぼすだろう」と回答

一方、「AIが人間に取って代わることはない」と主張するOmdiaとPlum Researchに対し、エンターテイメントとテクノロジー業界を分析・調査する企業National Research Group(NGR)の世論調査では、映画・TV制作技術者のうち42%が、「AIは自分たちの分野で人間に害を及ぼすだろう」と回答したという。

IndieWireによると、2024年2月にクリエイティブ職の18歳~64歳の約1,500人を対象に実施された調査では、「AIに脅威を感じる」と回答した42%に対し、32%は「AIから恩恵を受ける」と答え、残りの26%は「影響がない」、もしくは「現時点では、その影響が分からない」との結果となっている。

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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