ストライキ中のSAG-AFTRA、スタジオ側と火曜日に交渉再開へ

映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)と映画テレビプロデューサー同盟(AMPTP)が交渉を再開する日が決定した。

働き方 業界団体・行政
ストライキ中のSAG-AFTRA、スタジオ側と火曜日に交渉再開へ
Photo by Mario Tama/Getty Images ストライキ中のSAG-AFTRA、スタジオ側と火曜日に交渉再開へ

Photo by Mario Tama/Getty Images

映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)と映画テレビプロデューサー同盟(AMPTP)が交渉を再開する日が決定した。

10月21日、両者は「(現地時間)10月24日(火)にSAG-AFTRAプラザで交渉を再開する」と発表。AMPTP加盟企業のトップ・エグゼクティブからなるコア・グループが出席する予定のことだ。

両者の話し合いは10月11日に打ち切られ、AMPTPは「両者の溝は話し合いを続けるには“大きすぎる”」と述べていた。特にストリーミング配信に関するSAG-AFTRAの収益分配案をめぐって衝突。当初SAG-AFTRAは、動画配信プラットフォームで特定の作品が生み出す収益の2%を出演者に分配することを求めていたが、AMPTPはこの提案を真っ向から拒否していた。


SAG-AFTRAは、動画配信サービスの契約者1人につき一定の料金(SAG-AFTRAによれば「57セント未満」)を徴収し、その資金を出演する俳優に分配したいと考えていた。Netflixの共同CEOであるテッド・サランドス氏は、翌日のインタビューで、この提案を「遠すぎる橋」と呼び、交渉が決裂した理由を説明した。

両者が妥協に至らなかった点は他にもある。SAG-AFTRAは、各社が提示したAIに関する保護に満足しておらず、フランチャイズプロジェクトなどでデータを使用する際には各社が俳優から同意を得なければならない事例を増やすことなどを求めていた。最低賃金の引き上げに関しても、SAG-AFTRAは契約初年度に11%の引き上げを求め続けているが、スタジオ側は直近で、全米監督組合(DGA)と全米脚本家組合(WGA)が受け入れた引き上げ(初年度は5%、2年目と3年目はそれぞれ4%と3.5%)を組合に提示した。

この交渉再開のニュースは、ジョージ・クルーニーをはじめとするAリスト俳優たちがSAG指導部と何度かビデオ会議を行ない、3年かけて組合財源に多くの資金を投入するため、高収入の組合員が支払う会費の上限を撤廃するよう組合に提案した後に行なわれた。この会議にはスカーレット・ヨハンソン、ケリー・ワシントン、タイラー・ペリー、ライアン・レイノルズ、ブラッドリー・クーパー、メリル・ストリープ、ベン・アフレック、ジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーン、エマ・ストーン、ローラ・ダーン、ロバート・デ・ニーロらが出席したと、会議に詳しい関係者がThe Hollywood Reporterに語っている。

また、SAG-AFTRAは、WGAのストライキもはるか長く続いたが要求すべてを対処する取引を得ることに成功したことを指摘している。「WGAは148日間の激闘の末に勝利を収めたが、これは忍耐が最も困難な障壁を打ち破り、全員の犠牲を正当化するために必要な変革につながることを証明するものである」と組合員へのメッセージで述べた。ハリウッドの2つのストライキを合わせると173日間となっており、経済的打撃は俳優と下層労働者の両方に及んでいる。

Another Source:Variety
《伊藤万弥乃》

関連タグ

伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。