ワーナー、ダブルストライキが2023年の収益に最大5億ドルの打撃を与えると発表

同社は9月上旬にストライキが終了し、作品の製作を再開できると想定していた。

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ワーナー、ダブルストライキが2023年の収益に最大5億ドルの打撃を与えると発表
ワーナー、ダブルストライキが2023年の収益に最大5億ドルの打撃を与えると発表

Photo by Kevin Winter/Getty Images for CinemaCon

ハリウッドでは、全米脚本家組合(WGA)と映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)のストライキが現在も続行中だ。その影響によりワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下、ワーナー)は、2023年の損失が最大で5億ドル(約737億円)になると見込んでいることが明らかとなった。

The Hollywood Reporterによると、9月5日(火)にデヴィッド・ザスラフ氏率いるワーナーが米国証券取引委員会に提出した書類には、「主にストライキの影響により、2023年のEBITDA(利払い税引き前減価償却償却前利益)の予想を105億~110億ドル(約1兆1,550億円~約1兆6,220億円)に下方修正し、損失は3億~5億ドル(約440億円~約737億円)になるだろう」と記されていたという。同社が当初目標としていたのは110億ドル~115億ドル(約1兆6,220億円~約1兆6,958億円)だった。

8月、第2四半期の収支報告会議でワーナーの最高財務責任者(CFO)であるグンナー・ヴィーデンフェルス氏は、両組合のストライキが9月上旬に終結し、映画やテレビ番組の製作を再開できるものと想定していた。

ところが、ワーナーが予想していた以上にストライキが長引いたため、同社は今回の提出書類にて、「当社は近日にストライキが解決することを願っているが、最終的にストライキがいつ終了するかは予測できない。今も両組合はストライキを続けており、一連のストライキによるワーナーへの財務的な影響が、2023年末まで続くものと想定している」と記している。

さらに、ワーナーは通年のフリーキャッシュフロー(企業が自由に使える現金)の予想を、少なくとも50億ドル(約7,370億円)に引き上げたとのこと。提出書類には、「『バービー』の好調な業績とストライキ関連要因で大きくなっている影響を考慮し、当社は現在、2023年第3四半期のフリーキャッシュフローが17億ドル(約2,500億円)を超えると予想している。当社は、ストライキの最終的な解決のタイミングと追加の影響に基づき、引き続きその仮定を更新していく予定だ」とも記載されている。

また、「ワーナーは脚本家と俳優の重要な仕事とパートナーシップを尊重し、進行中のWGAとSAG-AFTRAのストライキを公正な形で解決するために、他の業界リーダーらと優先順位を付けて熱心に取り組み続けている」とも強調した。

なお、現時点ではWGAとSAG-AFTRAによるストライキが終了する目途は立っておらず、年末まで続く可能性も囁かれている。

Another Source:Variety
《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。