5月17日から開催された第76回カンヌ国際映画祭が26日に無事閉幕した。
今年は22作品がコンペティション部門に出品され、日本からは是枝裕和監督の最新作『怪物』や、役所広司が出演しているヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS(原題)』が選出されていた。
結果として、日本の作品は大躍進。コンペティション部門では役所広司氏が主演男優賞を受賞。2,300人以上を収容できるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレにて満員の中上映され、約10分間のスタンディングオベーションにつつまれた本作。授賞式後直後に行われた日本の記者向け取材で役所氏は「この賞に恥じないように頑張らなきゃな」とコメントした。
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是枝裕和監督『怪物』は独立部門「クィア・パルム賞」と脚本賞を受賞。クィア・パルム賞はLGBTQやクィアを扱った映画に与えられる賞で、満場一致で選ばれたとのこと。また、脚本賞を受賞の際には一足先に日本に帰った脚本の坂元裕二氏に代わり、是枝監督は「僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました」と壇上でコメントした。
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そのほか、受賞作品は以下の通り。
🎥コンペティション部門 受賞結果一覧 ※英題
ANATOMY OF A FALL/ジュスティーヌ・トリエ パルムドール🏆
THE ZONE OF INTEREST/ジョナサン・グレイザー グランプリ
THE POT-AU-FEU/トラン・アン・ユン 監督賞
FALLEN LEAVES/アキ・カウリスマキ 審査員賞
坂元裕二(怪物/是枝裕和) 脚本賞
メルヴェ・ディズダル(ABOUT DRY GRASSES/ヌリ・ビルゲ・ジェイラン) 最優秀女優賞
役所広司(PERFECT DAYS/ヴィム・ヴェンダース) 最優秀男優賞