中国ボックスオフィス:『すずめの戸締まり』が約65億円で好スタート

『すずめの戸締まり』が、中国で大ヒット中。

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中国ボックスオフィス:『すずめの戸締まり』が約65億円で好スタート
(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会 中国ボックスオフィス:『すずめの戸締まり』が約65億円で好スタート

新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が中国本土で公開され、日本国内を遥かに上回る爆発的なヒットを記録している。

 米Variety誌などの報道によると、3月24日から26日までのオープニング3日間で、同作は4,960万ドル(約65億円)の興行収入を記録し、週末ランキングで首位を獲得した。これは中国における2023年の「旧正月休暇以外の時期」に公開された映画としては最大のオープニング成績であり、2月中旬に公開されたハリウッド大作『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の初動成績(1,940万ドル)を倍以上も上回る数字だ。

■ 日本の初動を凌駕する熱狂

 この「65億円」という数字がいかに異次元か、日本国内のデータと比較するとその凄まじさが浮き彫りになる。  日本国内での公開当初(2022年11月11日からの3日間)、本作は動員133万人、興行収入約18.8億円というロケットスタートを切り、新海誠作品史上No.1の出足として話題となった。しかし、今回の中国でのオープニング成績は、その日本の初動記録を金額ベースで3倍以上も上回っていることになる。

 日本国内では累計興収140億円を突破しロングランを続けているが、巨大市場・中国という新たなエンジンを得たことで、世界興収の伸びは予測不能な領域に入りつつある。

■ 「新海誠ブランド」と中国ファンの信頼関係

 なぜ、ハリウッド映画が苦戦する中国市場で、日本のアニメーション映画がこれほど受け入れられたのか。その背景には、新海誠監督が長年かけて築き上げてきた現地ファンとの「信頼関係」がある。

 2016年、『君の名は。』が中国で公開された際、当時の日本映画興収記録を塗り替える社会現象を巻き起こした。以来、新海監督はWeibo(中国のSNS)などを通じて現地のファンへ直接メッセージを発信し続け、コロナ禍で渡航が困難な時期にあっても、オンラインでの交流を通じて誠実な姿勢を見せてきた。  今回、北京や上海での舞台挨拶も実現し、監督が「約束」を果たしたことが、ファンの熱量を最高潮に高めたと言えるだろう。単なる映像美やストーリーへの評価だけでなく、「この監督の作品なら観に行く」という強固なブランド力が、この記録的な数字を支えている。


本作はすでに海外動員200万人を突破し、公開されたアジア全域でデイリーランキング1位を獲得しているという。日本発の物語が、国境を超えて人々の心をとらえ続けている。

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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