2022年、映画・テレビ業界はどうだったのか?上半期の業績から振り返る【決算から映像業界を読み解く】#9

前年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を色濃く受けた2022年の映画・テレビ業界。上半期の業績から業界の注目トピックを振り返る。

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2022年、映画・テレビ業界はどうだったのか?上半期の業績から振り返る【決算から映像業界を読み解く】#9
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新型コロナウイルス感染拡大の影響は映画関係者やテレビ関係者に甚大な影響を与えた。

映画館は営業時間や観客数に制限が課されて収益性が急悪化した。テレビ局は旅行や公共交通機関、外食を中心に広告を控える動きが広がり、広告収入が激しく落ち込んだ。しかし、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除され、消費活動は少しずつコロナ前に戻りつつある。

映画会社やテレビ局の上半期の業績をもとに、2022年を振り返りたい。

アニメーションが日本の映画界をけん引

2022年は日本の映画を語る上で欠かせない作品が3つ公開された。東映の『ONE PIECE FILM RED』と『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』、そして東宝の『すずめの戸締まり』だ。特に「ONE PIECE」と「ドラゴンボール」という超人気タイトルに背中を押された東映の業績改善が目覚ましい。


東映の2022年度上半期の売上高は、前年同期間比48.5%増の762億8,100万円。2021年度上半期に200億円以上開いていた東宝との売上差が、20億円程度まで縮まった。東映の売上高はコロナ前の2019年度上半期を21.5%も上回っている。

※各社決算短信より(映画事業の売上高は配給やソフト、映画館の合算)

東映の2022年度上半期の映画事業の営業利益は195億400万円。東宝を13.1%も上回った。東映は2022年11月11日に通期業績予想の上方修正を発表。売上高を予想比9.5%増の1,570億円、営業利益を38.0%増の316億円に引き上げた。

※各社決算短信より(映画事業の売上高は配給やソフト、映画館の合算)

『ONE PIECE FILM RED』は公開から93日で動員人数1,300万人、興行収入180億円を突破している。北米での客入りも良好で、海外での更なるヒットにも期待できる。『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は全世界での興行収入が135億円を超えた。日本よりも世界での評価が高いことを改めて見せつけた作品だ。

東映は12月3日に公開した『THE FIRST SLAM DUNK』も健闘している。公開から16日間で興行収入が41億円を突破した。東映の成長を支える子会社東映アニメーションは、「セーラームーン」や「SLAM DUNK」など過去のヒットタイトルの映画化に注力している。


《不破聡》

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