韓国コンテンツ振興院(KOCCA)が2026年9月17日、「K-コンテンツを超え、K-カルチャー産業を牽引する」と掲げて4大新戦略と10の核心推進課題を発表した。
取りまとめたのは今年6月に就任したキム・ユンジ院長。放送、ゲーム、大衆音楽、マンガ・ウェブトゥーン、アニメーション、ファッションといった主要ジャンルの専門家に加え、企業・金融、人材育成、AI分野の業界関係者とも現場で対話を重ねてきた。
今回の新戦略は、従来のジャンル別の個別支援を積み上げる公的支援から、コンテンツIPを軸に関連産業まで束ねる体系への移行を志向している。KOCCAの支援モデルそのものを組み替える方針を示した格好だ。
成長は続いている、しかし「鈍化」している
発表の前提にあるのは、韓国コンテンツ産業全体を覆う危機感である。2025年の売上高は161兆4,839億ウォンで前年比2.6%増、輸出額は149億582万ドルで同5.9%増。数字の上では成長が続いている。韓流を通じた消費財・観光の輸出も前年比18%増の87億9,000万ドルに達し、コンテンツ産業の枠を超えて関連産業の海外進出を牽引する存在と言える数字を残した。
また、KOCCAの報告書『韓流産業輸出の経済効果』によれば、韓国コンテンツ産業の輸出が1億ドル増えると、関連産業の輸出は2.02億ドル増える。国のイメージ形成という点でも、2025年時点で韓国の肯定的イメージに影響する要因の1位(45.2%)はK-コンテンツ・大衆文化だった。
問題は伸び率にある。参考資料によれば、2018年→2022年の成長率が売上高4.78%・輸出額6.61%だったのに対し、2022年→2025年は売上高1.68%・輸出額3.01%まで落ち込んだ。製作費の高騰、投資の萎縮、人材不足が重なり、AI技術の重要性が急速に高まるなかで産業環境は激変している。加えて、日本、タイ、台湾といった競合国がコンテンツ産業の専門育成機関を設置し、自国振興政策の強化に動いていることも競争を激しくしている。
一方で韓国政府は、K-カルチャーの国政目標を市場規模300兆ウォン→400兆ウォン、輸出額350億ドル→1,100億ドルへと大幅に引き上げた。2026年5月には、K-カルチャーの範囲をコンテンツ・芸術産業に加えフード・ファッション・観光産業まで含めて再定義している。成長鈍化の中で目標は大幅増加。今回の戦略は、こうした成長鈍化と国政目標の上方修正を受け、政策方向を再整備するものと目される。





