松竹株式会社が7月14日に発表した2027年2月期第1四半期決算(2026年3月~5月)は、売上高と営業利益は前年同期を上回った一方、特別損失の計上によって最終損益は赤字となる、明暗の分かれる内容となった。
売上高は241億3,800万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は17億2,900万円(同58.5%増)、経常利益は16億5,100万円(同89.4%増)。本業ベースでは大幅な増収増益を達成した。
しかし、親会社株主に帰属する四半期純損益は2億8,100万円の赤字。前年同期は15億700万円の黒字だったため、最終段階では大きく悪化した。要因は、大阪府大阪市の劇場施設・賃貸不動産について計上した減損損失23億3,500万円である。
営業利益段階では演劇事業の急伸が際立つ。演劇事業のセグメント利益は13億5,100万円と、前年同期の7,400万円から大幅に拡大。大阪松竹座の閉館を前にした「御名残」公演の盛況も重なり、全社の利益成長を支えた。
映像関連事業:劇場運営は好調も、配給減収で利益は大幅減
映像関連事業は、売上高115億8,500万円(前年同期比1.1%増)、営業利益1,600万円(同96.0%減)となった。売上は小幅に増えたものの、利益面では大きく後退している。
好調だったのは劇場運営だ。売上高は79億8,500万円(同11.6%増)。邦画では『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』が興行収入100億円を超える大ヒットとなり、『ほどなく、お別れです』『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』なども貢献。洋画では『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』『プラダを着た悪魔2』などが好調に推移した。
一方で、映画配給は売上高6億2,200万円(同53.3%減)と大きく落ち込んだ。邦画2作品、洋画2作品、アニメ3作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、ODS作品など多様な作品を公開し、1月公開の『映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」』が引き続き高稼働したほか、『鬼の花嫁』も好評を博したが、前年同期比では大幅減収となった。
配信・版権ビジネスは堅調だった。映像版権許諾の売上高は11億5,800万円(同21.1%増)。『リターン・トゥ・サイレントヒル』をAmazon Prime Videoで見放題独占配信し、収益に貢献した。『正反対な君と僕』もABEMA、Amazon Prime Videoなどでの配信に加え、海外での権利販売が好調だった。
テレビ制作では、地上波放送で連続ドラマ『ムショラン三ツ星』『サレタ側の復讐~同盟を結んだ妻たち~』などを制作。テレビアニメでは『多聞くん今どっち!?』『正反対な君と僕』などが放送された。DVD・ブルーレイディスク販売では『多聞くん今どっち!?』『TOKYOタクシー』が堅調に推移した。
劇場運営と映像版権許諾は伸びたものの、配給売上が大きく減少したことなどを背景に、映像関連事業全体では利益が大きく減少した。

