認定NPO法人チャリティーサンタは、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちに映画館での鑑賞体験を提供するプロジェクト「シェアシネマ2026春」を、2026年3月18日から5月10日にかけて実施している。
本施策では、全国の対象家庭の親子約5,000人へデジタルギフト型の映画鑑賞チケットを無償提供する。さらに今回初の取り組みとして、全国36都道府県・98劇場のイオンシネマと連携し、館内デジタルサイネージを活用したプロジェクト告知を実施。映画興行という場を通じた社会課題の啓発にも乗り出している。
半数以上が「年間鑑賞0回」。物価高騰が招く子どもの“体験格差”
同法人が今春の企画に先立ち、対象となる3,104世帯に向けて行ったアンケート調査(2026年3月実施)では、深刻な“体験格差”の実態が浮き彫りとなった。過去1年間の映画館での鑑賞回数を尋ねたところ、「0回」と答えた家庭が52.7%と過半数を占めた。また、物価高騰の影響で家計において最も節約している項目として「食費(37.2%)」「保護者の衣服費(34.6%)」が上位に挙がり、日々の生活を維持するだけで精一杯であり、映画館での鑑賞が経済的に高いハードルとなっている現状がうかがえる。
一方で、映画館での体験に対する期待は極めて高い。「親子の共通の思い出づくり(96.0%)」、「大きなスクリーンや音響など映画館ならではの設備(73.0%)」のほか、約7割の家庭が「流行している映画を観ることで周囲との会話についていける」と回答している。動画配信サービスが普及する中でも、映画館という特別な空間での鑑賞体験が、子ども同士のコミュニケーションや親子の絆を深める重要な機会として求められていることがデータからも読み取れる。
デジタルギフトを活用し約5,000人を招待
「シェアシネマ」は、寄付などを原資として購入したデジタルギフト型の映画鑑賞チケットを対象家庭へ無償提供する仕組みである。最大の特長は、利用家庭が「好きな映画館で、好きな作品を、好きなタイミングで」鑑賞できる点にあり、高い利便性を実現している。

2024年夏に約1,000人を対象としたテスト実施から始まり、本プロジェクトは2025年春に約3,000人、同年夏には約4,000人と着実に規模を拡大。今春は約5,000人への提供を見込んでいる。経済的理由で映画館から足が遠のいていた層、あるいはこれまで映画館を訪れたことのない子どもたちの「映画館デビュー」を後押しする本施策は、映像産業における将来的な映画ファンの創出や動員増につながる可能性も秘めており、新たな社会貢献モデルとして期待される。
イオンシネマ98劇場と連携。サイネージを活用した映画館内での社会課題啓発
今回の「シェアシネマ2026春」における新たな試みとして、イオンエンターテイメントが運営する「イオンシネマ」全国98劇場(36都道府県)との連携が実現した。
春休みからゴールデンウィークの長期休暇シーズンに合わせ、各劇場の館内デジタルサイネージにて本プロジェクトの取り組みを紹介する映像を放映。一般の映画館来場者に向けて、経済的理由により鑑賞機会が限られている子どもたちの存在を周知し、活動への理解と支援の輪を広げることを目的としている。
また、イオンシネマでの鑑賞を希望する支援家庭に対しては、特別な特典として「ドリンク&ポップコーン付の鑑賞チケット(一般:ドリンク付/小人:ドリンク&ポップコーン付)」が提供される。






